チャートパターンは現在も生まれ続けています。
その中で古くからあるチャートパターンがたくさんあります。
今回紹介するカップウィズハンドル（Cup with handle）はその代表と言っても良いでしょう。
この記事では、以下の点に絞って解説していきます。
・カップウィズハンドルの条件
・注意すべきポイント（勝てない要因を排除する）
・エントリー〜利食い/損切り
カップウィズハンドル（Cup with handle）の条件
カップウィズハンドルはその名の通り、コーヒーカップを連想してつけられました。
最初の上昇後（トレンド転換が望ましい）、下落してきますがトレンド転換して
反発していく段階（上図でカップを形成した動き）。
その後押し戻されて（利食いによるもの）、カップ部分を割らずに上昇（ハンドル部分）
この時、カップ部分の戻りは浅ければ浅いほど良い。
そして、高値を更新したところで上昇が加速します。
カップウィズハンドルは上昇相場でしか使えないと言われていますが
出来高を伴っていれば逆に考えても差し支えありません。
上図のような形は頻繁に出てきますので、FXのような24時間取引量が多い金融商品では
この逆パターンの下落の動きも頭に入れておくことをお勧めします。
カップウィズハンドルが成立する条件として以下の4つがあります。
このパターンが成立して理想的な動きをするには日足以上の長い足が適切です。
- 最初の上昇率が30％以上
- 日足で3ヶ月から6ヶ月かけて底をつき、U字型になっている（カップ部分）
- 高値更新前の下落率は5％から10％ほど
- ハンドルからの上昇時に出来高が増加している
FXには基本的に出来高がありませんが、ECN口座であれば出来高が見られます。
Doo Primeでも見られるかは定かでないので、確認できたら情報を追加します。
注意すべきポイント（勝てない要因を排除する）
チャートパターンはそれだけ覚えていても勝てるようにはなりません。
なぜなら全ての金融商品には価格の動きだけでなく、時間も関係しているからです。
そのため必ず大きな時間枠（年足、月足レベル）から確認し、
スイングトレード、デイトレードなどの自分の生活スタイルにあった取引スタイルで
上位足とトレードする時間足を決めていく必要があります。
※全ての時間枠を分断して考えるのではなく、全て繋がっていると考えます。
上位足になる程、値幅が大きくなるので、その部分でトレンドに沿った順張りか
反転を狙う逆張りかを戦略として考えるのがトレードです。
ここまで書けばわかっていただけたように、勝てない要因を排除すれば
勝てる要因の方が増えて、不確定要素が減っていきます。
そのため、このカップウィズハンドルも上位足である長期のトレンドに沿って
出現したら勝てる（利益になる）確率が上がっていきます。
勝てない要因はチャートパターンではなく、トレンドに反したトレードによるものです。
エントリー〜利食い/損切り
エントリー
カップを形成し、青点線の高値を更新したタイミングでロング戦略を取ります。
この時上図が1時間足であった場合、4時間足か日足でも上昇トレンドを維持していれば
そのまま上昇していきやすい状態です。
利食いポイント（決済ポイント）２つ
利益確定の方法として２つの基本的な求め方があります。
- カップ〜ハンドルを作る前の高値の値幅を、高値更新後から計測する方法。
- カップ〜ハンドルを作る前の高値の値幅を、ハンドルの安値から計測する方法。
カップウィズハンドルのチャートパターンはシンプルなため、
この利益確定方法がわかりづらいことはないと思います。
カップウィズハンドルの下落パターンは、この逆になります。
基本的な利益確定ポイントは上記ですが、応用もあります。
保ち合いパターンの記事で書いたようにチャネルラインを引く方法です。
一番左端の最初の値幅を作った安値を起点、カップの安値を終点にして
チャネルラインを引きます。このチャネルライン上限が利益確定ポイントです。
これら３つが利益確定ポイントを求める方法です。
損切りポイント
カップウィズハンドルの損切りポイントは明確です。
ハンドルを作った安値を抜けたタイミングです。
カップウィズハンドルの下落パターンは、この逆でハンドルの高値になります。
チャート例
上昇のカップウィズハンドル実例チャートです。
利益確定のターゲットの応用を用いた場合、
チャネルライン緑の上限が決済ポイントになりました。
下落のカップウィズハンドルの実例チャートです。
利益確定のターゲットの応用を用いた場合、
チャネルライン緑の上限が決済ポイントを大きく抜けて下落しています。
等倍分以上の下落も見せたため、図では示していませんがもう一段下にチャネルラインを
追加したとこで下落が止まっています。（ご自身でお確かめださい）
この例の場合は緑の値幅をブレイクした青点線のところから取っても
それ以上の下落となっている動きとなった例です。
カップ部分の形について
カップ部分はなるべく緩やかな丸みを帯びていることが理想ですが
あまり拘らなくても良いのではと思います。
丸みを覚えているのはなぜかというと、上昇していくならカップの安値付近に
書い勢力があり、下落させようとしている勢力に抗っているために
底の部分が固まっていきながら、安値を少しずつ切り上げていっているためです。
つまり、反発させようとする動きが強ければ強いほどカップ部分の丸みは小さくなります。
カップ部分に注目するよりも、ハンドル部分の戻り具合に意識を向けていくと良いです。
ハンドル部分の戻りが深ければそれだけカップから上げてきたものが
売り込まれて戻されていることが想像できます。
（上昇のカップウィズハンドル時。下落の時は逆）
ハンドル部分はその動きが支えられて初めてできるものなので
ハンドル部分の戻りが鈍ければ鈍いほど上昇しやすいです。（上昇のカップウィズハンドル時）
チャートの形の背景にある投資家心理、大衆心理を意識しておくと
これらの意味がわかってくるはずです。
チャートパターンはこれらの意識によって初めて作られるため
作られたのを確認してからトレードをしても遅くないので、
慌てて判断しないようにしてください。
まとめ
カップウィズハンドルが成立する条件として以下の4つ。
このパターンが成立して理想的な動きをするには日足以上の長い足が適切。
- 最初の上昇率が30％以上
- 日足で3ヶ月から6ヶ月かけて底をつき、U字型になっている（カップ部分）
- 高値更新前の下落率は5％から10％ほど
- ハンドルからの上昇時に出来高が増加している
さらに上位足のトレンドを意識してトレンド方向に動くカップウィズハンドルを見分けると
利益確定ポイントまで伸びていきやすくなります。
カップの形も大事ですが、ハンドルの戻り具合が何より重要。
戻りが鈍ければ鈍いほど、逆方向に動きやすくなります。
※上昇のカップウィズハンドルならばハンドル部分の下落が鈍く、上昇していく
これらを意識してカップウィズハンドルのチャートパターンを
トレードに取り入れてみてください。
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