今回の内容をさらにシンプルにした等倍分を求める方法を
現在販売中の『チャート解体新書』で追加アップデート版として追加します。
ぜひ波動の面白さを実感してください。
AKIRA(@akira_usstocks)です。
アナリストの分析レポートやサイトやSNSのテクニカル分析を読むと
「節目」という言葉がよく出てきます。
しかもこの「節目」という言葉、同じ人の分析なのに節目の判断基準が違っていて
何をもって節目と言っているのか読み手にとってよく分からなかったりします。
チャートを見て節目になりそうなポイントを「節目」と言っているでは?と推測できます。
節目の判断基準が曖昧だとトレンドラインやチャネルライン、水平線に一貫性がなく
再現性の低い分析とそれに伴うトレードとなってしまい結果の分析もできません。
実は「節目」は理論的に説明ができ、誰でもこの条件を満たすものを判断できれば
節目を簡単に認識でき、再現性の高い分析、常に変わらない分析手段、
トレードの振り返りが正確にできます。
節目とは?
チャートの節目。
つまり、値動きの分岐点ということですが、
もっと詳しく言うのであれば値動きが止められたところ。
さらに詳しく言うと、売買勢力の転換です。
なぜ売買勢力の転換が起きるのか。
投資とはお金を儲けるため、稼ぐためにお金を働かせるのであって
その思惑同士がぶつかって価格が動いています。
誰しも損をしたくて投資をしてお金を動かしているわけではないので
色々なテクニック(トレンドラインなどを使って)ポイントを見つけ出し
そこを基準にして売買戦略を組み立てています。
このポイントでどちらの勢力が勝つかによって動きが転換したり
そのまま動いていた方向へ突き進んだりします。
節目は偶然出来上がるわけではなく、節目と節目を繋いだラインの延長線上が
次の節目候補になるなど節目を正確に見分けることが次の節目を見分ける助けになります。
よって、節目が毎回適切な手順で認識できるようになれば、
相場の環境認識は70%できたと言っても過言ではなく、節目同士を繋いだトレンドライン
やチャネルライン、水平線でさらに20%の環境認識をして、残り10%は予測不可能な
環境要因といった具合になります。
節目の見分け方
節目の見分け方は初心者には難しい?と思う方がいると思いますが
実は以下の2つの手順だけ覚えればすぐにでも認識できるほど、すごく簡単です。
手順1 3バーで山と谷を判断する
3バーというのは、私が勝手に作った造語です。
下図のようなパターンになったら山、谷を判定し、反転/反発ポイントとして認識します。
見やすくするためヒゲを描いてませんが、ヒゲを含めて見分けてください。
チャート上に当てはめるとこのようになります。
手順2 一番高い高値/安い安値の左右を確認する
次に、3バースタイルで見分けた高値の左右にその高値より低い高値、
安値の左右にそれよりも高い安値があるかを確認します。
一番低い安値の左右にそれより高い安値があったときに限り、安値の節目と認識。
以上、2つの手順で節目を見分けることが簡単にできます。
これを繰り返して節目、節目を見つけていきます。
節目の位置はトレンドを見極めていくダウ理論のおいてとても重要な役目があります。
節目を正しく認識できる力=ダウ理論を使いこなせる力といっても良いです。
節目をベースにトレンドライン、チャネルライン、水平線を引く
では次に節目同士を結んだり、節目に水平線を引くことによって
節目がどのように意識され、将来の価格に影響を与えているか見ていきましょう。
【基本】節目同士を結ぶ
トレンドライン
上昇トレンドのトレンドラインの例です。
トレンドラインに沿って上昇した後、そのトレンドラインを抜けて戻りの上昇をしてきたところ
ライン付近で上昇を止められた形です。
この一本のトレンドラインだけで、この戻り高値から下落するとは判断しづらいので
後述する応用編を踏まえて判断していきます。
この時点では、このようなことが起きるということを覚えておいてください。
こちらは下降トレンドのトレンドラインです。
トレンドラインを超えた後にそのラインまで戻さずにレンジから上昇してきています。
トレンドラインを抜けても必ずしもラインまで戻る保証がないということを覚えておきましょう。
青点線は、青ラインを引いたときに2つの節目のどちらかに合わせて
同じ角度のラインとなっています。このズレ?みたいなものを考慮しておくと良い場面が多いため
このようなことが起きた場合は、忘れずに引いておくと良いです。
※先程の上昇トレンドの場合も同じように引きます(説明上省いています)
チャネルライン
先程の安値の節目と節目の間にある節目の高値に安値の節目同士で引いたラインを
平行に動かしてチャネルラインを引きます。(ラインの角度は同じ)
この平行移動したラインをチャネルラインの上限、ベースのトレンドラインを下限と呼びます。
上昇トレンドの場合、上限まで上昇するというのが考え方になりますが
上限まで届かないと上昇の力が衰えてきた、下限を抜けてくる可能性が高まるという
判断をしていきます。(必ずしもそうならない)
下降トレンドの場合は、下限まで下落する。
下限まで届かないと下落の力が衰えてきた、上限を超えてくる可能性が高まるという
判断になります。(必ずしもそうならない)
同じように節目に引いたトレンドラインと同じ角度のラインを平行移動して
安値に置いていきますが、この場合は注意が必要です。
下降トレンドの場合、高値の節目と節目の間の安値に平行移動したラインを置きますが
平行移動したラインを置く場所も節目でなければいけません。
先程の上昇チャネルラインに戻って確認してください。
高値も節目になっているのがわかると思います。
そのため、この下降トレンドでチャネルラインを引く場合、
黒丸部分の安値ではなくて、その1つ前の安値の節目である赤丸部分に下限ラインを置きます。
その結果、下限ラインを抜けていくほどの下落となりました。
その後、下限ラインを超えてチャネルライン内に戻った後、下限ラインで支えられ上昇しています。
水平線
赤丸部分が節目です。
この節目に合わせて水平線を引きます。(細かくなりそうな部分は除外しています)
水平ラインがどのように影響したか、その後を見ていきます。
青丸部分が水平ライン近辺で反応したポイントです。
近くで反転したものや、一度抜けてからそのラインを超えられずに反転下落したものもあります。
水平ラインではこのようなことが多いため、トレンドラインなども含めて
総合的に判断して意識されるかどうかを確認していくと良いです。
【応用】チャネルラインを重ねる、チャネルラインの引き方パターン
チャネルラインを重ねる
チャネルラインをコピーして上下に重ねていく方法があります。
そうすることで、チャネルラインの幅の等倍を確認することができ、決済ポイントにもなります。
この等倍分で止まる保証がなく、難しいですが状況次第で判断していきます。
【特殊パターン】チャネルライン
- 青チャネルライン(青丸部分で構成)は通常のチャネルライン
- 緑チャネルライン(緑丸部分で構成)は高値の節目同士を先に引いたチャネルライン
- 赤チャネルライン(赤丸部分で構成)は高値と安値の節目に合わせてベースラインを引き
その間にある安値の節目に下限ラインを合わせたチャネルライン
色々なチャネルラインの引き方があるので、状況によってパターンを変えたりします。
基本上昇トレンドであれば右上がりのチャネルラインを引き、
左下りのチャネルラインを使って押し目から上昇を目指すタイミングを図ったりします。
(下降トレンドは逆)
このやり方はとても練習が必要なので、基本がしっかり出来てから考えてみると良いです。
上記の方法以外にも数パターンまだあります。
節目は必ず月足から順番に見ていくこと
以上のことを踏まえた上で分析していきますが、ここで注意です。
テクニカル分析、罫線分析の基本は月足(年足から見るとベスト)からです。
必ず大きな時間枠(タイムフレーム)から見ていきます。
これをしないと大局がわからなくなります。
上図は月足から節目に従ってトレンドライン、チャネルライン、水平線を引いたものを
週足のチャートで表示したものです。
月足は緑ライン、週足は青ラインで引いていますが
ここで面白いことがわかると思います。
- 週足で引いた青チャネルラインを等倍したものを重ねていくと
今の最高値が青チャネルラインの3倍分で止まっていること - ベースの青チャネルラインの上限で一度止められていること
- 青チャネルラインの2倍分の上限で押し目となっていること
節目をしっかりと判別でき、節目でラインを引けばこのようになるのは偶然ではありません。
しっかりと節目を見分ける練習をしていきましょう!
まとめ
チャートの節目は、値動きの分岐点であり、売買勢力の転換。
節目を見分けるために、高値/安値の反転/反発ポイントを3バースタイルで判断する。
一番高い高値の左右にそれより低い高値があったときに限り、高値の節目と認識。
一番低い安値の左右にそれより高い安値があったときに限り、安値の節目と認識。
節目同士を結んでトレンドラインやチャネルラインを引く。
節目に水平線を引く。
チャネルラインを引くときは、
上昇チャネルラインなら上限ラインを置くポイントも節目でなければいけない。
下降チャネルラインなら下限ラインを置くポイントも節目でなければいけない。
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