「トレード成績を改善していくためにトレードノートを作った方が良い」
ということをよく聞きますが、本当にそうでしょうか?
私自身も作ったことがありますが、はっきり言って何も得るものはありませんでした。
というのも書く内容が分からないため、エントリー根拠やその時の心理状況など
記録用に適した内容を書いていました。これは皆さんもそうだと思います。
しかしこれだけではほとんど意味はありません。
書いたことで満足してしまい、後で読み返すことなどないですし、
読み返しても意味が分からないことばかりです。
そこで今回は、効果的で効率的なトレードノートの作り方を紹介し、
成績アップに必要不可欠なROA(総資産利益率)と純利益を計算していく方法を解説していきます。
トレードノートを種類別(成績用/記録用)にする
まず、最初にやるべきことは、
「トレード成績用のノート、またはエクセルなどの計算ソフト」と
「トレード記録用のノート、またはエクセルやワードなどのテキスト」を別にしましょう。
1冊のノートにまとめてしまうと統計をとるときに不便ですし、
毎回ページをめくる手間が出てしまいます。
今はスマホでも表計算ができるアプリもあるため
トレード成績はエクセルもしくはテキスト、トレード記録はノートにするのがおすすめです。
トレードノートを表計算ソフト(エクセル、Numberなど)で作る
今回はMacの[Numbers]という表計算アプリを例に作りました。
取引スタイルによってトレード回数が変わりますので
縦に長くなる場合もあります。ご自身の月の平均取引回数を目安に作成してください。
記録する項目は以下の12項目です。
※複数記入する機会があるものは、プルダウンで選択できるように設定すると楽です。
- トレードカウント(回数)
- 日付
- 通貨ペア(USDJPYなど)
- 売買種類(ロングorショート)
- ロット数
- スプレッド(トレード時)
- エントリー価格
- エントリー時間
- クローズ価格
- クローズ時間
- コスト(ロット数×スプレッド)
- 損益
統計の項目は以下の6項目です。
- 月初 証拠金
- 合計コスト(コストの合計)
- 合計損益(損益の合計)
- 純利益(合計損益−合計コスト)
- 月末 証拠金(月初 証拠金+合計損益)
- ROA(純利益÷総資産(月末証拠金)×100)
ROA(総資産利益率)
ここでROAという見慣れない言葉があります。
ROAは総資産利益率というもので、
トレーダー(投資家)がいかに総資産を上手く使って利益を生み出しているかを
把握するものです。ROAが高いほど上手く利益を上げていることになりますが
高いからと言って良いとは限りません。
(FXやCFDなどでは関係ありませんが、負債を使って利益を生み出して
ROAを高めている企業があるということ)
ROAの目安は5%を超えていると優秀ということになります。
ROAの計算式
純利益÷総資産(月末証拠金)×100
純利益
FXや他の投資商品では言わないかもしれませんが
トレード毎に「損益−コスト(ロット数×スプレッド)」という純利益と
その合計も入れておく方が良いと思っています。
トレード回数が多くなればなるほどコストが多くなるため
そのコストも視覚化し、損益から引くことで本当の損益がわかります。
約定スピードやスリッページによって取引コストはさらに増減するため
純利益という考えを意識しておくことで、トレード毎の損益を把握し
トレード回数の減少や、スキルアップにもつなげていくことが出来ます。
トレードノートでトレード前後の考えを記録する
MacのNumberでは表を自由に移動でき、白紙のページも使えるため
タブごとに役割を分けることができます。
上記はその一例ですが、以下の項目を書くことをおすすめします。
- エントリー時のチャート/トレード終了後のチャート
- トレード戦略
- パターン別のシナリオ
- エントリー、プロフィットターゲット(利食い)、ストップ
- 理想的な動き
- チャートパターン
- トレード結果
- トレード後の考察
トレード後の考察とは、トレード後にどのような動きになって、
それに対して自分のトレード結果がどうなったのか、
複数のシナリオのどのパターンになったのか、ならなかったのか。
その原因はテクニカルによるものか、ファンダメンタルによるものかなどを
記録しておきます。
テクニカルによるものであれば、自分の一貫したルールや一貫したライン引きのルールで
損失が起きたなら納得のいく良い負けであり、経費と見られるトレードと判断します。
しかしテクニカルでも、一貫したルールや一貫したライン引きのルールでやらずに
損失が起きたなら、悪いトレードで改善しなくてはいけません。
反対に、自分の一貫したルールや一貫したライン引きのルールで利益になったなら
完璧なトレードです。
しかし、そうではなくて利益になったトレードは悪い勝ち方なので、
今すぐにそのトレードをやめないと勘頼りのトレードが癖になるため
早急に見直すべきトレードです。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか?
トレードノートというとしっかり書くようなイメージがありますが、
トレードを振り返ることを目的としなくてはなりません。
ノートを書いてもその場限りで、一貫性のない行動が続くのであれば
ノートを作る意味はありません。
また、ノートは誰に見せるものでもありませんので、
完全に自己満足で、自分だけが分かるもので構いません。
これと言ったルールなどありません。自由に作った方が良いです。
さらに言うならば、トレードノートを試した結果利益率が改善するなら
そのまま続けていけば良いですし、そうでなければ書かなくても構わないものです。
ただし、コスト、純利益、ROA、月初/月末証拠金は必ず記録するようにしてください。
またトレード時と終了後のチャートのスクリーンショット(スクショ)も
残せるなら残しておき、復習するようにしてください。
このときプリントアウトするか、実際に手書きでチャートを書いておくと
いつでも読み返すことが出来ますし、PCやスマホ画面とは違った印象を受けるので
新たに気付くことがあります。
(透過光(PC画面など)と反射光(光がものに当たって反射する)の違い)
あとは個人的なおすすめとして、チャートパターンや気づいたこと、
実際のチャートの動きを上画像のように手書きで書くようにすると
いろいろなことに気付くことが出来ます。
デイトレードやスイングトレードで比較的時間がかかるようなトレードスタイルでは
トレード待機時間や保有時間も無駄にすることがなくなるので
レベルアップのためにも、ざっくりで良いので書いてみてください。
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