FXに関して勉強していくと、必ず一度は目にする「IMM通貨先物ポジション」という言葉。
ひと昔前、このデータがブームになり至る所で目にするようになりました。
今はそのブームは下火なのか目にする機会はほとんどありません。
しかしIMM通貨先物ポジションは大きな資金を運用する投機筋の動きを把握できるため
個人投資家はチェックだけはしておいた方が良いデータの1つです。
そこで今回はIMM通貨先物ポジションの見方と考え方、過去データの収集法を解説していきます。
シカゴIMMポジションとは何か
世界最大の先物取引所といえばCME(Chicago Mercantile Exchange)アメリカ・シカゴ・マーカンタイル取引所です。
この「CME」には多くの先物商品の部門があり、その一部門に「IMM」があります。
インターナショナル・マネタリー・マーケット(International Monetary Market=国際通貨先物市場)
と呼ばれ、IMMに上場されている通貨先物取引の建玉を「シカゴIMM通貨先物ポジション」と言います。
「建玉(たてぎょくと読みます)」とは未決済(利食い・損切りをしていない状態)で保有中の通貨ペアを指し、
「オープンポジション」「ポジション」と呼ぶことが多いです。
ロングポジション、ショートポジションというのは買いポジション、売りポジションになります。
シカゴIMM通貨先物ポジション報告書
通常米国時間 金曜日15時30分(土曜日4時30分(冬時間だと5時30分))に発表されます。
しかしこの報告書は火曜日までのポジションを反映しており、週末のデータではないことに注意です。
そのため、現在の値動きを決めるデータではないため、信頼性が低いという人も多く存在します。
しかし、投機筋の動きを長期的に見るにはとても参考になるため、使わない手はありません。
毎週チェックし続けることを習慣にすれば何か見えてくるかもしれませんので、
シカゴIMM通貨先物ポジションの報告書のダウンロードの方法を解説します。
シカゴIMM通貨先物ポジション報告書ダウンロード手順
CFTC(米先物取引委員会)(https://www.cftc.gov/)のHPへ飛びます。
「Market Data & Economic Analysis」にマウスカーソルを合わせ
「Commitments of Traders」をクリックします。
「Chicago Mercantile Exchange」の「Long Format」をクリックします。
すると上図のページに飛びますが、膨大な種類の先物商品データがあるため
以下の手順で通貨先物を見つけます。
「control + F」で検索画面を表示させ、「JAPANESE YEN」と入力します。
するとこのように「JAPANESE YEN」の項目に一気に飛んでくれます。
他の通貨を調べたいときは以下の文字を入力します。
- EURO FX – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- BRITISH POUND STERLING – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- AUSTRALIAN DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- NEW ZEALAND DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- SWISS FRANC – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- CANADIAN DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- BRAZILIAN REAL – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- SOUTH AFRICAN RAND – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- MEXICAN PESO – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
この文字を入力すれば一気にその部分へ飛びますので、時短のため活用します。
シカゴIMM通貨先物ポジション報告書の見方
報告書にはいろいろな項目のデータがありますが、注目するのは以下です。
この項目のLong 、Shortの数字をチェックします。
しかしこれらの数字を単体でチェックしても意味はありませんので、
過去データをExcel、Googleスプレッドシートでまとめ、グラフにしたもので考えていきます。
※文末に過去データのダウンロード方法も記載してあります。
シカゴIMM通貨先物ポジションをグラフ化したものの読み方
私がCFTCの過去データからグラフにしたもので説明します。
円ロングをピンク、円ショートを黄色、それらの合計(円ネット)を青、
週末のドル円レートを黒で示しています。(円ドルの週末レートで表示するとさらに理解しやすい)
ネット(円ロング-円ショート)<0の場合、円ショート優勢=円売り=ドル円上昇
という構造が成り立ちます。
実際にグラフを見るとわかるように、
ネットポジションの青棒グラフが0より上にある時にドル円は下落して円高傾向にあります。
ネットポジションの青グラフが0より下にある時にドル円は上昇して円安傾向にあります。
総建玉では値動きが強まるかどうかを知ることができます。
値動きが一方向に強まる=トレンドが出る状態というのは、総建玉が増加する傾向にあります。
総建玉が減少しているのに価格が上昇している場合は、どちらかの通貨が急激な上昇、または下落を
している可能性があります。
IMM通貨先物ポジションではタイムラグがあるため、このような急激な動きには対応できないため
各通貨のインデックスか通貨ペアの相関関係を見て判断しなくてはいけません。
こういった背景があるので先述したように信頼性が乏しいと言われてしまいますが、
トレンドを作るのは大きな資金を運用している投機筋などがメインです。
トレンドが続くかを判断する上で総建玉のグラフもこのブログでは載せていきますので
毎週チェックをしてみてください。(自分で作らないならば・・・)
シカゴIMM通貨先物ポジションの過去データをダウンロードする
最後に過去データのダウンロード方法です。
Historical Compressedのページへ移動します。
ページへ移動したら「Futures Only Reports:」まで画面をスクロールします。
「Reports By Year」で自分がダウンロードしたい年の「Excel」をクリックして
自分のPCでダウンロードします。
※1年分のデータが入っているので(通貨先物だけでなく、商品先物も入っている)
ダウンロードはすぐですが、データを開くまで時間がかかります。
これを1年ごとに必要な項目を取捨選択してデータとしてまとめ、グラフにすれば
自分だけのオリジナルデータが完成します。
データにまとめるときは前述したように該当するものをフィルターにかけないと
膨大なデータに埋もれてしまいます。賢くデータ収集しましょう。
- JAPANESE YEN – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- EURO FX – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- BRITISH POUND STERLING – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- AUSTRALIAN DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- NEW ZEALAND DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- SWISS FRANC – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- CANADIAN DOLLAR – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- BRAZILIAN REAL – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- SOUTH AFRICAN RAND – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
- MEXICAN PESO – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE
※ロングポジションからショートポジションを引いたネットポジションは
データにはないので、自分で表計算の機能を使って計算します。
まとめ
以上が、今回の内容です。
自分でデータをまとめ、いろいろな方法で分析をしていくことで市場の動きを掴むことができます。
シカゴIMM通貨先物ポジションはタイムラグがあるため扱いづらいと思う人は多いです。
ですが、タイムラグがあるなら、タイムラグから現在の値動きを推測して
どういう状況になっているかを考えることがこのブログを読んでいる人ならできると思います。
その結果が正しかったかは次週以降にわかるので、しっかりとノートにメモしておき
結果と照らし合わせることで値動きとその背景にある動きを理解できるようになります。
この方法をやるかやらないかで1年後は変わっていると思うので、
今回の内容を理解して、データ作成をして、予測ー結果ー検証を続けていきましょう!
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