エリオット波動を数ヶ月研究してきた中で思うことは、「1つの波」をどのように定義していくかによる。
このような結論に至りました。「1つの波」を定義しないままエリオット波動を使ってしまうとカウントがズレたり
気持ちの悪いカウント(個人的主観)になり、エリオット波動のルールを無視したものになります。
おそらく、エリオット波動を提唱したラルフ・ネルソン・エリオットは、感覚的に「1つの波」を認識していた可能性があります。
「正しい1つの波のカウント」ができると、推進波か修正波かを判断でき、延長3波の見分け方が容易にできるようになります。
そこで今回は、「正しい1つの波」「延長3波と修正波の見分け方」を解説していきます。
1つの波とは?
この図は以前エリオット波動早見表で紹介したものです。
- 頂点をつけた1つ前の安値(上昇時)を下落して更新したパターン
- 頂点をつけた1つ前の高値(下落時)を上昇して更新したパターン
この場合に限ってそれを反転/反発したと判断して波を特定する方法です。
頂点をつけたものが包み足であった場合も同じようにカウントしますが、
頂点をつけた2つ前の安値(上昇時)/2つ前の高値(下落時)に変化します。(稀なケース)
この2つのパターンが組み合わさって値動きは動いている(1つの波として)ため、
この1つの波を正確に認識できるようにならないとエリオット波動のカウントは正しくカウントできません(個人的見解)
1つの波が認識できると、3波延長推進波と修正波を見分けられる
エリオット波動で一番混乱するのは「3波で終わる修正波」と「3波が延長する推進波」を見分けるときです。
エリオット波動を最初に知った頃は常に3波が1波の1.618倍になっていればいいと思い込み、
起点、1波、2波にフィボナッチエクスパンションを当てて計測し、カウントを始めてしまいます。
そうならないためには何が必要なのか。まずは理想的な推進波パターンから順をおって説明していきます。
理想的な推進波パターン
理想的な推進波パターンとは解説図でよく使われるような動きです。
3波延長型、1波延長型、5波延長型、この3つが推進波のパターンです。
上図では3波延長型の推進波例です。
通常、3波延長型では1波の長さの1.618倍が3波の目安になります。
しかしこれには補足が必要で、3波を形成する副次波の1波と2波が1波の下で発生していないと
3波延長型と判断できないことが多いです。
上図で赤矢印を引いた黒文字1の高値の下に副次波である青文字1波、2波が発生しています。
もし仮にこの1波と2波がなく、青文字3の部分が最初に1つの波として完成していたらどうなるでしょう?
答えは、青文字3の高値が黒文字1の値幅の1.618倍でなければ3波延長型とは言いません。
1.618倍に到達せずに1つの波を作ってきたら、それは修正波であると言えます。
この違いが分かれば、次のようなミスカウントをせずに済みます。
間違ったカウント
先ほど解説したように、1波の値幅の1.618倍であれば3波の延長型だと早合点してしまうと
上図の例のような間違ったカウントになってしまいます。
1つの波のカウント方法で照し合わせて考えてみてください。
なぜこれがミスカウントなのかをよく考えてください。
よく考えれば見えてくるものがありますよね?
正しいカウント
1つの波を認識できると、上図のようなカウントになります。
図中央の黒文字ABC、これらが1つの波としてカウントするとW(日足ではA)となります。
その後の下落でX(日足ではB)となって、その後は黒文字ABCと続きY(日足ではC)というカウントになります。
青文字は黒文字X以降の副次波ABC(1つの波W)、X、Y、X、ABC(1つの波Z)というようにカウントできます。
赤文字は4時間足以下で確認すると推進波となっており、1~5というようにカウントできます。
エリオット波動をカウントするときは1つの波を意識することが大事
エリオット波動は5波の推進波、3波の修正波がベースにあり、3波が1.618倍であれば3波延長型、
5波をつけた後にさらに5波の高値を更新したら5波延長型というように、比率や特徴だけに囚われてしまうと
正しいカウントが取りづらくなります。また、2波と4波で動きが変わることも特徴だけでは間違いやすくなります。
1つの波ができた後の次の1つの波はどのくらい伸びるのか、この点を意識していくとカウントを取る際に間違いが少なくなります。
1つの波を逆方向に抜けるとトレンド転換であるという認識もできます。この動きで1つ上の時間枠で1つの波が成り立ちます。
1つの波を丁寧に見ていくこと。これがエリオット波動を使いこなすためのコツであり
正しいカウントを取ることの秘訣であると考えています。
今回の内容をしっかりと練習すれば一人でも使いこなすことは可能ですので、毎日練習を重ねていきましょう!
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