前回はラインの引き方について考えてきましたが
その前に値動きの法則と値動き(主波)の中の小さな値動き(副次波)を理解していないと
きちんとラインを引くポイントが分かりません。
今回は1つの波を細かく見ていき、同時にラインを引くポイント、
とりわけ本当の三尊/逆三尊天井のショルダー部分の当て方を理解できるように解説していきます。
値動きの基本 エリオット波動
値動きを考える上で、エリオット波動を欠かすことは出来ません。
エリオット波動はカウントが難しいため初心者〜中級者には難しいです。
無理に覚えようとしなくてもいいので、大体このような動きで相場が動いているということを
覚えておいてください。
※この記事中のチャートの形は基本形のみで解説していきます。
エリオット波動の修正波のパターンや推進波の特殊パターンによって
形状が変わることに注意してください。
この図が値動きの基本とされ、エリオット波動のカウント(数字)を記載したものです。
文字の部分はこの後の説明をわかりやすくするために記載したものです。
①〜⑤の5つのカウントが推進波、A〜Cの3つのカウントが修正波と呼びます。
推進波5波動+修正波3波動で1つの波と認識します。
値動きの分解 エリオット波動 推進波の副次波
それぞれの波動の中にも小さな1つの波が存在しています。
これを副次波と呼び、副次波の中にも副次波があり、その副次波の中にも副次波があり
副次波が複数連なって今見ている時間枠の値動きが出来ていることになります。
1波、3波、5波の副次波は5波動の推進波になります。
さらに青の動きの中にも同じ推進波が存在しています。
次に2波、4波の部分ですが、この部分は頭の切り替えをしなくてはいけません。
2波と4波は推進している方向(トレンドが出ている方向)とは逆に動いている状況です。
戻りが出ているということは、戻りの方向に動いている部分に
小さなトレンドが出ていることと同じ状況です。
これが大きくなって1波や3波の高値/安値を超えてきたり、
5波動目が出てくるとトレンド転換する動きが出てくるというわけです。
値動きの分解 エリオット波動 修正波の副次波
修正波ABCの中にも当然副次波があります。
修正波は元のトレンド方向とは逆に動くため、A波の副次波は推進波の5波動となります。
またC波の副次波も5波動になります。
B波は戻りの方向とは逆方向に動いている状態です。
5波動の推進波のトレンドと同じ方向に向いているため、いわゆる騙しにあいやすいため
B波の場合は価格の変動幅に注意しながら相場を見ていくことになります。
もちろんこの副次波の中にもさらに小さい波の副次波があり、
A波(青)、C波(青)では5波動の推進波、B波(青)では3波動の修正波があります。
これ以上細かく見ると、図が見づらくなるため割愛しますが
きちんと動きがあるということを理解しておいてください。
ラインとの関係性
これらを理解した上で、さらに一段上のトレーダーになるために必要なのがラインです。
ラインは、トレンドライン、チャネルライン、水平ラインなどありますが
ここではトレンドライン、チャネルラインを使って考えていきます。
(この2つでやり方を覚えれば水平ラインは勝手に引けるため)
ラインを引く基本は、頂点と頂点を結ぶ。
だけで良いのですが、これだけでは説明不足です。
正しくは上昇を折り返してきた高値と高値、または下落を折り返してきた安値と安値で引く。
これが正しいと個人的に考えています。
そして応用として、上昇を折り返してきた高値とその高値より下で下落を折り返してきた安値、
または下落を折り返してきた安値とその安値より上で上昇を折り返してきた高値
この2つがあります。これは前回の記事をご覧ください。
チャネルラインの引き方
赤丸1と赤丸3を結んでチャネルライン、赤丸3と赤丸5を結んでチャネルライン
青丸Aと青丸Cを結んでチャネルラインをそれぞれ作ったのがこの図です。
青丸3と青丸Aを結んでチャネルラインを作ったのがこの図です。
このチャネルライン下限を抜けると下落が加速する可能性が高くなります。
こうして書くと、「え?本やサイトで言われているようなことは間違いなの?」と
思われるかもしれませんが、そうではありません。
ラインを引く上で一番大事なことは、
「上昇を折り返してきた高値と高値、または下落を折り返してきた安値と安値で引く」です。
つまり上図のようなことです。
これも間違いではないですが、今見ている時間枠よりも下の時間枠で
黒ラインの動きをしているからこのように引けるということです。
しかし今見ている時間枠で引くことが、その時間枠で将来的に意識されやすくなることや
ラインの角度が急であればあるほど価格と時間の関係を考えると
長い時間意識されるようなラインではないことが理解できると思います。
三尊天井/逆三尊天井(ヘッドアンドショルダー)
エリオット波動のカウントで三尊天井/逆三尊天井を取るためには
3波とB波を結ぶことで出来ます。
しかし、ここで今までの理論でいくと、
三尊天井では高値(HH)と高値(LH)を結び、逆三尊天井では安値(LL)と安値(HL)を結ぶ。
ということに疑問が出てくるわけです。
左肩は良くても右肩部分が三尊天井では下落の後の高値であって、上昇の頂点ではありません。
逆三尊天井では上昇の後の安値であって、下落の頂点ではありません。
でもなぜこのラインが値動きに影響を与えるラインとなるのか。
答えは単純で、副次波の動きを考えれば、ラインを引くための理由になります。
どういうことかというと、このようなことです。
三尊天井の左肩は主波(黒)Higher High(HH)、その副次波(青)もHigher High(HH)
右肩は主波(黒)Lower High(LH)、その副次波(青)はHihger High(HH)
逆三尊天井の左肩は主波(黒)Lower Low(LL)、その副次波(青)もLower Low(LL)
右肩は主波(黒)Higher Low(HL)、その副次波(青)はLower Low(LL)
つまり、副次波レベルでは三尊天井は高値同士、逆三尊天井は安値同士になっています。
だから三尊天井、逆三尊天井は成立するのです。
チャート実例
エリオット波動の基本では1波と4波は重ならないことが条件ですが
例外として大きな視点での1波目が出来るときやトレンドの最終局面の5波目では
ダイアゴナルパターンとして現れることがあります。
この実例ではトレンドが始まるか長期的な視点で5波目で最終局面かということが
現時点で考えられます。また、その後の修正波と3波で上がって来れば上昇トレンド開始となるし
修正波でなく、5波動目に移行するように安値を更新してくればトレンドの最終局面という
解釈が出来ます。
それはさておき、三尊天井として考えていくならば青文字の副次波のカウントになります。
逆三尊天井として考えると、青文字の副次波カウントになります。
(右肩部分は細かくなるため青文字カウント記載なし フラットかジグザグ)
上の例と違うと感じて頭が混乱すると思います。
左側は推進波ではなく修正波の中の副次波(青)で考えているからです。
相場の状況によってはこのように副次波で考えることもあるため
状況によって引く部分を変えていくことが必要になります。
この部分はチャートにたくさんラインを引いて自分で感覚を掴むしかないため
練習をたくさんしてください。
コメント