エリオット波動を勉強している、または検索したらこのブログが表示された方は
エリオット波動は本当に使えるの?と疑問を持ったままの方が多いでしょう。
実際、エリオット波動を使いこなせる人はほとんどいないと言っていいでしょう。
本を出している人やサイト運営をしている人でさえ、ちゃんと使いこなせている人は
ほとんど見たことがありません。
過去のチャートでカウントを無理やり当てはめているだけで後付け解釈が本当に多いです。
だからカウントの取り方が美しくありません。本当になぜそこでカウントする?と思ってしまいます。
それもそのはずで、実はエリオット波動は表示している時間枠(タイムフレーム)で
教科書の通りに動くことは本当に少ないからです。
そのことを本当に意味で知らずに当てはめてしまうと使えないと判断してしまいます。
そこで、今回はエリオット波動を極めたい方に送る、イレギュラーなパターンをいくつか紹介します。
これを見ても最初は難しいと思いますが、自分でどうやって判断していくかを研究してください。
※先月限定で販売した「エリオット波動トレード 極の書」を購入された方は
追加アップデートの内容で考えてみてください。
エリオット波動を難しくさせる要因
エリオット波動を難しくさせている要因。
それは教科書通りの動きを確実にするという先入観があるためです。
この図は私がフリーでダウンロードできるようにしたエリオット波動早見表の一部です。
教科書通りの動きでは綺麗に5波動が捉えられて1波動を形成すると書いていますが
このように綺麗な波動で1波動になることだけに集中してしまうと正確な1波動を捉えることは
とても難しくなります。
次の項目で深く解説していきますが、実は表示している時間枠(タイムフレーム)では
1波動の中の1波と2波(上図では黒文字((Ⅰ))、((Ⅱ))に該当)が判別できないパターンがあります。
また、下位足でも判断できない場合が存在します。(1分足でも無理なケースがある)
多くの有名サイトや有名な著者は全くと言っていいほど、この点に触れていません。
エリオット波動を深く研究しているならば、必ずこの壁にぶち当たります。
必ずです!!(本当に重要なことなので2回言いました)
実際に本やサイトを見て勉強していましたが、このことが存在することを知った時に
全てを見ることをやめました。なぜなら実践で使えないことがわかったからです。
実践で使えない机上の理論は、はっきり言ってしまうと要りません。
ですが、エリオット波動を提唱したラルフ・ネルソン・エリオットは、
おそらくこの点を知っていたと思っています。知っていたから理論を確立できた。
ただ説明をできないから表に出せなかったのだと個人的に解釈しています。
それか、昔ならば通用したが、現在の取引量の多さ、投資資金の膨大さ、投資商品の拡大、
資金の流入先の複雑さから新たに派生したパターンが出てきた。
こちらの方が信憑性が高いかもしれません。
もしそうであるならば、おそらく今回の記事は最新のエリオット波動の理論となります。
この理論が正しいならば、エリオット波動は今よりさらにわかりやすくなります。
この新理論(と言って良いか分かりませんが)イレギュラーな波動認識パターンを
これから一気に紹介します。
なお、下記例で使用している時間枠(タイムフレーム)以外でも全ての時間枠で出現します。
特定の時間枠で現れるパターンではないことに注意してください。
イレギュラーな波動認識パターン2つ
その1:1波2波複合パターン(1波と2波が複合した1つの波動)
今回はGBPUSD(ポンドドル)1時間足を使った例で考えます。
7月6日以降の動きをエリオット波動に当てはめたときに、
これを皆さんはどのようにカウントしますか?少し考えてみてください。
まず最初に上図は間違ったカウント例です。
初心者がよくやってしまいがちなミスです。
なぜこれがミスであるかというと、エリオット波動の値動きの原理から外れてしまうからです。
7月5日の安値を更新していないということは修正波の動きの可能性を考えなくてはならず、
また、それ以前の動きによって推進波であるのか、修正波であるのかを判断しなくてはいけません。
もしこのカウントが正しいならば高値を更新してはいけないですが、
結果的に更新しているので間違っていたということがわかります。
正しいカウントは上図になります。
青文字A-B-Cの修正波の動きです。
これだけではわかりませんので、各波動の赤枠で囲った部分を下位足で考えます。
修正波Aの部分を5分足で見ていくと、教科書通りの推進波5波動が出ています。
5分足で見た場合、このようにセオリー通りに出ていれば、すぐに認識することができます。
よって、これは簡単なケースと言って良いでしょう。
しかし修正波Bの5分足では話が変わります。
上図のように1波と2波の判別がつかないほど下位足で動きが出てしまい、
エリオット波動をカウントすることが極端に難易度が高くなってしまうことがあります。
これを私は「1波2波複合パターン」と名づけました。
しかもこういったケースはかなり頻繁に起こります。
このケースがあるからカウントをミスし、相場の動きについていけず損失を膨らませ
エリオット波動は使えない、机上の空論だという判断を下してしまう人が多く出てしまうのです。
しかし1波と2波が複合している場合があると知っている人の場合はどうでしょうか?
もしかしたら複合パターンかもしれないと下位足を調べたり、カウントの候補を増やすことができ
その後の動きに対応できるようになります。
図の黒文字((4))以降の動きも1波2波複合パターンです。
最初に出したチャートの7月3日の安値からの動きも実は1波2波複合パターンで
最終的に5波動の(上昇)推進波となっています。
見ようによっては3波とも捉えることができるので、非常に難しい動きです。
正しいカウントをとっていても迷いが出てしまう可能性が大いにあります。
その2:時間をかけた波動形成パターン(限りなく斜めに推移する)
次に値幅が縦に出ずに、限りなく斜めに推移していくパターンです。
これは推進波、修正波ともによく出てくるパターンで流れをしっかり掴めていないと
トレードを頻繁に繰り返したり、損失を膨らませてしまう可能性がとても高いです。
事前に察知することが難しいため、過去のエリオット波動のカウントから導き出した値動きから
今の動きの推測をより集中して気合いを入れてカウントしなければいけません。
今回もGBPUSD1時間足です。(GBPUSDで説明していますが、どの通貨ペア、投資商品でも同じ)
上図の中央にレンジの部分があるので、これを下に考えていきます。
下図がカウント例です。
赤枠で囲った部分が限りなく斜めに推移していくパターンです。
今回は修正波となりますが、推進波でも起きます。
推進波で起きる時はダイアゴナルパターンになりやすいことを覚えておきましょう。
上図では2波目に拡大型のフラットパターンになったことが言えます。
その修正波を赤文字A-B-Cで表示しています。
赤文字Aに至るまではこのタイムフレームでは先ほどの1波2波複合パターンになっています。
(青文字2以降も1波2波複合パターン)
そして次に修正波Bに向かうまでに限りなく横で推移する斜めで3波動を作っています。
3波動を形成する各1波動の中の動き(副次波と呼ぶ)は常に5波動です。
図では整理して黒文字((b))以降にのみ青文字(ⅰ)~(ⅴ)を表示しています。
1波(図では青文字(ⅰ))の安値を抜けて4波が現れるダイアゴナルパターンとなっています。
2波(図では青文字(ⅱ))の高値を超えていないことで推進波は続いていることが判断できます。
その後、青文字(ⅴ)(1波2波複合パターン(1時間足では))で青文字1安値を抜けるも
戻されたこと、3波動で戻したことで赤文字Bとなりました。
その後は副次波の5波動となったことで赤文字Cが確定。同時に青文字2が確定しました。
このように限りなく斜めで推移していくパターンではファンダメンタルなどの影響が
少なからずあったり、テクニカル的には下位足で動きづらい状況、ボラティリティが低い状況で
起きることが多いです。
修正波、推進波ともにあるため、縦に値幅が出ない斜めでの推移は難易度が格段に上がります。
下位足でも細かすぎて判断できない、その上1波2波複合パターンも加われば
判断ミスの確率がかなり高くなります。
その場合はしっかりと過去のカウントが間違っていないか、カウントのパターンをいくつか
用意することをいつも以上に考えておきましょう。
ミスが起きても修正して戦略を立て直すことは十分できます。
時間をしっかりかけて立て直すようにしましょう。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか?
エリオット波動をうまく使いこなせない、使えないと思って人にとっては
寝耳に水のようなパターンであったことでしょう。
世界の資金量が過去に比べて桁違いに膨れ上がったことから、過去ではわかりやすかった
エリオット波動のカウントの流れが見つけにくくなっていると思われます。
投資人口の増加もその要因に入ると思います。
さらにHFTなどの人間の反射神経を超えるような注文方法も普及したことで
より見分けづらくなっていくケースが今後さらに増えていくと思われます。
ですが、今回紹介した新パターンがあることを知っていれば対応できます。
もしこれでミスしても戦略を立て直す時間は十分にあり、カウント修正もできます。
過去のチャートを研究し、何度も間違えながら練習を続けて
エリオット波動を使いこなせるようになってください。
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