【チャート勉強会】移動平均線で値動きを予測する方法

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA) チャート勉強会

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第3回目の今日は遅行指標のインディケーターの移動平均線です。

移動平均線は平均を計算方法に使用しているために
計算された数値が現在より遅く評価されてしまいます。
移動平均線に関わらず、平均を採用しているインディケーターは全てです。

しかし遅行指標であるからこそ先を予測するツールにもなり得るため
今回は移動平均線というインディケーターを使って価格動向を予測していく方法を解説します。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

移動平均線でよく聞く種類は単純移動平均線(SMA)指数関数移動平均線(EMA)です。
※ここでは計算する値を終値で統一します

 

単純移動平均線(SMA)

単純移動平均線(SMA)は、その名の通り単純に平均したものを繋げたものです。

例えば、25期間の単純移動平均線を求めるためには、25期間分の平均を取るだけです。

計算式:(1+2+・・・・+24+25)/25

この計算で導き出され、チャートでは表示している時間枠が5分足であれば
5分ごとに計算がされていきます。

 

指数関数移動平均線(EMA)

指数関数移動平均線は少しだけ計算が複雑になります。
その理由として、終値に比重をかけていることが挙げられます。

例えば、25期間の指数関数移動平均線を求めるために、24期間の平均と25期間目を足し
その値を25期間で割って平均を取ります。これにより直近の価格変動に敏感になり
トレンド方向を示しやすい状態になります。

計算式:{(1+2+3+1・・・+24)/24+25期間目の終値}/25

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

MT5 25SMA(赤)、25EMA(青)

25期間であればほとんど誤差レベルの形状になりますが、
25EMAの方がローソク足に近い状態になります。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

200SMA(赤)、200EMA(青)

200期間だとトレンドが切り替わるタイミングで形状の差が大きくなるときがあります。

どちらを使うかは使いやすい方で良いですが、
今回は計算しやすい25SMAを例に考えていきます。

 

25SMAで値動きを予測する方法

移動平均線が傾く方向がトレンドが出ている方向です。
その方向が続くためには計算式でも上下どちらかを指し占めている必要があり
それを計算した方が確実ですが、大体の把握はチャートから出来ます。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25SMAと25SMAの25期間左にずらした遅行線

25SMA(赤)と25SMAを25期間左にずらした遅行線(水色)
※通常の遅行線は1期間の移動平均線を当日を含む26期間左にずらしたもの
 ここでは25SMAを25期間左にずらしていますが、25期間前の終値だけを見たいので
 25期間前の足がわかるのであれば何を使っても構いません

現在の動いている価格と25期間前の価格までの動きを見ると
大体の終値の平均がわかると思います。(わからない場合はなんとなくで良いです)

ここで移動平均線と終値の関係を過去チャートから見ていきます。

 

25期間前の終値と現在の終値から移動平均線の角度を考える

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係

ある日のGBPJPYの15分足です。

このチャートの現在の終値(赤)と25期間前の終値(水色)を比較すると
25期間前より下に現在の終値があります。

しかし25期間中の終値の平均では上昇している期間が多く
25期間前の終値を下抜けて終えていても移動平均線の角度が下向きになっていません。

これが下向きになるには単純に陰線が多くなり、価格が今以上に下になければいけません。
そうでない場合は横向きのままの状態が続くことが予想できます。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係

その後2本分進めた(30分経過)ときに陰線が続き、かつ終値ベースで下落幅も大きくなり
25期間前の終値も下目の位置にあったことで移動平均線は斜めに傾き始めました。

ここから先は陽線が多く続き、1本1本の終値ベースで上昇幅が大きいときもあるため
この上昇幅分以上の終値ベースで下落幅が大きくないと移動平均線の傾きは変わりづらく
状況によっては平行から上向きに変化しやすくなります。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係

下落前の高値の終値が25期間前を示すポイントまで時間を進めます。

この時点でよほど上昇を続けて終値が終えていなければ移動平均線は下向きのままです。
図では終値が下落し続けている状態だったため移動平均線の傾きは急角度です。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係

もう少し進めてみます。

このポイントでは移動平均線を現在の終値が超えています。
平均値を計算する期間内の動きを見ると上下を繰り返しています。
25期間前の終値と現在の終値を比較すると、現在の終値の方が上にあります。

このことから今後終値ベースで上昇幅もあったり、下落幅が小さければ
移動平均線は上向きに変化しやすくなります。

移動平均線が横向きになったことで逆三尊天井のショルダー部分が引けるため
引いた後にもう少し進めていきます。

 

移動平均線の角度が変わったタイミングで三尊/逆三尊天井を探す

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

終値ベースで上昇幅が大きく、下落幅は少ないことから移動平均線は上昇し、
なおかつ角度が急になっています。

このように移動平均線の傾きが無くなったりした時に三尊天井や逆三尊天井の
ショルダーを結べたら、その角度で上昇していくことが予想されます。

また、そのラインを移動平均線が抜けてくるかどうかにも注目していきます。
もし抜けてきたらその後の動きは下落してくるかもという予想ができます。

ラインを抜けるのがローソク足の終値だけでなく、移動平均線でも抜けているかにも注目すると
動きの予測がしやすくなります。

 

価格の下落と移動平均線の傾きからトレンド継続を検討する

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

移動平均線が上向きから横向きに変化したポイントまで進めました。

基本的に全ての値動きの頂点は三尊/逆三尊天井になっています。
上図はこの高値をつけた部分だけで赤矢印の部分を肩(ショルダー)として青ラインを引いています。なお、少し大きく視点を広げると、左側の18日18:30の高値が左肩として見ることができます。

この青ラインの上に移動平均線があるため、25期間の平均値では上昇してくる可能性が
考えられることがわかります。
あとは、ローソク足の実体レベルで青ラインを超えていく、かつ移動平均線の上に出ていく。
この2つの条件が揃った時に上昇が強く出る可能性があります。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

上述した条件が揃ったタイミングまで進めます。
この時点で直近高値を超えてきたので上昇する可能性がさらに高まりました。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

もう少し進めると、さらに上昇してきました。

 

傾きが緩やかになったタイミングで逆方向を検討する

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

次にこの上昇が終わるタイミングを見ていくために時間を進めます。

移動平均線が上昇中ですが、傾きが緩やかになったので
上昇が終わる可能性も考えて、赤矢印の逆三尊天井の青ラインを引きます。

この青ラインを抜けて、移動平均線も下になると上昇が終わった可能性を考えます。
下落が続くかはここでは考えていません。

 

単純移動平均線(SMA)と指数関数移動平均線(EMA)

25期間前の終値と現在の終値と単純移動平均線の関係 三尊/逆三尊天井のライン

青ラインと移動平均線を終値で抜けても逆に抜けてくる場面があり
この辺りで攻防があったように思えます。

その後は移動平均線が横向きになり、下向きになりました。

このように移動平均線の傾き、移動平均線の設定期間をその設定期間分左にずらして
終値を現在の終値で比較していく方法で動きをある程度予測できます。

これにプラスαで三尊/逆三尊天井を見つけて肩(ショルダー)にラインを引くことで
逆方向に行く時のタイミング、元のトレンドに戻っていく転換を見つけやすくなります。

今回は単純移動平均線(SMA)でしたが、指数関数移動平均線(EMA)の場合も
同じようにできます。慣れないと短時間で考えることができませんがやり方は同じです。

両方試してみて、自分がやりやすいのを選ぶといいと思います。

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