インディケーターは四本値を元に計算式が組まれているものがほとんどのため、
計算式を分解すれば、プライスチャートの何を示しているかを簡単に紐解くことができます。
FXを始めた当初は意識しなくてもいいですが、余裕が出てきたら
インディケーターを使う人は計算式を理解し、チャートの声を聞くことを心がけると
そのインディケーターの奥深さを知ることができ、もっと効果的に使うヒントが閃いてきます。
そこで、今回は計算式から読み取るシリーズとして、
一番わかりやすいストキャスティクスを解説していきます。
ストキャスティクスとは
ストキャスティクスは、ジョージ・レーンが考案した現在値がある期間内の
最安値と最高値の間でどの水準にあるかをパーセンテージ化したものです。
ストキャスティクスは通常、本やサイトでは20%は売られ過ぎで反発しやすい、
80%では買われ過ぎで反転しやすいと書いてありますが、全く根拠がありません。
絶対に信じてはダメです。
トレンドが発生した場合は20%以下で張り付いたり、80%以上で張り付いたります。
この状態になったらトレンドが強く出ているという認識で構いません。
その理由はストキャスティクスの計算式をチャート上に表示させるとわかります。
ストキャスティクスの計算式
%K=(C−Ln) ÷ (Hn−Ln) × 100
C:当日の終値
Hn:当日を含めた過去n日間 最高値
Ln:当日を含めた過去n日間 最安値
「%K」を順に計算していき、平均化したものを「%D」と呼びます。
「%D」を20期間平均化したものを採用していますが、
特に表示させていても意味はないため、表示させなくても構いません。
ストキャスティクスの表示と設定
JForex3では、[Momentum Indicators]→[STOCH]の順に探します。
見つけたら以下の画像のように設定します。
設定箇所は
Fast %K Period :13
Slow %D Period :20
※上記は私の個人的に使いやすい数値設定です。
基本はFast%K:8、Slow%K:3、Slow%D:3です。
[出力]タブから好きな色と線の形状を任意で変更します。
%Dは特に必要ないため、チェックボックスを外しても構いません。
これで設定と表示は終わりです。
最後に[追加]をクリックしてチャートに表示します。
ストキャスティクスが意味するもの
ストキャスティクスの計算式は単純なため
チャートでどのような役割を果たしているのかがすぐに理解できます。
先ほどのストキャスティクスの設定で説明すると、
現在の終値(変動中のプライス)から安値を引くことで安値までの距離を出します。
この数値が13期間で動いた変動幅のどの水準にあるかを計算したのが
ストキャスティクスです。
パーセントラインを使い簡易的に見る
もう少しわかりやすく考えるために、[パーセント・ライン]という描画ツールを使い、
簡易的に考えていきます。
鉛筆アイコンから[パーセント・ライン]を選択し、適当なところに引きます。
パーセント・ラインをクリックして選択し、右クリックで[レベルの編集]を選びます。
すると上図のようになるため、[追加]をクリックして
[レベル20][レベル80]を追加して下の[OK]をクリックします。
これで変動幅の20%と80%のところにラインが表示されます。
簡易的なのでズレが生じますが、ストキャスティクスの数値と似たような水準で
パーセント・ラインの上の水準で現在の終値(価格)があることが分かります。
このようにストキャスティクスを表示させなくても
ある程度はパーセント・ラインで代用できてしまいます。
ストキャスティクスで注意したいこと
ストキャスティクスの20%は売られ過ぎ、80%は買われ過ぎと言われていますが
何の根拠もないことなので鵜呑みにしないようにしましょう。
むしろ20%や80%の水準を維持していれば、その方向にトレンドが出ている証拠です。
20%以下で売られ過ぎということは・・・
現在値と最安値の距離が短ければ短いほど、もしくは13期間内での最安値を
更新していれば更新しているほど下落の力が増しています。
同時に高値は変わらないので13期間の安値と高値の差が開いていきます。
この状態で20%以下で売られ過ぎだから反発しやすいという
訳の分からない理論に従っていたら損失が膨らむことは一目瞭然です。
反発する時もあるでしょうが、反発するかしないかというのは
値動きを見ていて 3バーを覚えてしまえば判断できます。
むしろ20%以下で推移してたら下への力が強いから下落が続きやすいと考えるのが妥当です。
同じように、80%以上で買われ過ぎということは・・・
現在値と最高値の距離が短ければ短いほど、もしくは13期間内での最高値を
更新していれば更新しているほど上昇の力が増しています。
同時に安値は変わらないので13期間の安値と高値の差が開いていきます。
この状態で80%以下で買われ過ぎだから反転しやすいという
訳の分からない理論に従っていたら損失が膨らむことは、先ほど同じで一目瞭然です。
80%以上で推移してたら、上への力が強いから上昇が続きやすいと考えるのが妥当です。
このように複雑な計算をしていないストキャスティクスは
チャート上に計算式を当てはめて考えられるため分かりやすいです。
ストキャスティクスの%Kの動きが値動きだけを見るだけで大体の予測がつくため、
現在値がどのくらい動けば%Dを抜けていくかということも大体想像がつきます。
インディケーターは値動きを元に複雑化しているだけなので
値動きをみれば分かるというのはこういうことなのです。
ストキャスティクスでダイバージェンスを判断する
ダイバージェンスの判断は、
ストキャスティクスが必ず20%以下、80%以上のところで判断します。
それ以外のところではダイバージェンスとして判断しません。
ダイバージェンスの種類一覧
価格の動きとオシレーターの動きで4種類あります。
ストキャスティクス以外にもMACDやRSIなども同じように判断します。
まとめ
- ストキャスティクスは現在の終値と安値の変動幅を
ある期間内の最高値と最安値の変動幅で比較したオシレーター。 - ストキャスティクスを表示させなくても計算式と同じことをすれば
パーセント・ラインを使ってほぼ似たような位置関係をプライスチャートから判断できる。 - ストキャスティクスの20%、80%での売られ過ぎ、買われ過ぎの基準は曖昧であるため、
鵜呑みにしないこと。逆にこの状態が続いていればトレンドが強いことを意味している。 - ダイバージェンスは4種類あり、ダイバージェンスは20%以下、80%以上で%Kが
推移しているところで判断するようにする。
以上が、ストキャスティクスで読み取れることになります。
ストキャスティクスはオシレーターのため、トレンドを判断するには
他のインディケーターを使うか、プライスチャートで判断しますが
プライスチャートで判断していくことをおすすめします。
コメント