生涯利益率4000%という驚くべき成績と資産を残した
伝説的トレーダーであり、今も描画ツールに名を残して使われる
William Delbert Gann(ウィリアム・ディルバート・ギャン)。
今回は、彼が独自の相場研究資料から生み出されたギャン理論と
トレンドの発生・終了やおおよその発生時間も予測する
他のテクニカル分析にはない具体的なツールを解説していきます
ギャン理論|ギャンの価値ある28ルール
ギャンといえば投資家が投資で成功するための取引ルールを
28個にまとめた「ギャンの価値ある28ルール」というものが有名です。
(1)資金は10等分し、1回の取引に資金の10分の1以上のリスクは決してとらない。
(2)ストップ・ロス・オーダー(逆指し値注文)を使うこと。
取引にあたっては常に3~5ポイント差でストップ・ロス・オーダーを置いてボジションを守ること。
(3)過剰な売買は決してしない。これをすることは資金運用の原則に反することになる。
(4)儲けを損失に変えない。3ポイント以上の含みができれば、
利益を失わないようにストップ・ロス・オーダーを近づけること。
(5)トレンドに逆らわない。自分のチャート(とルール)に従って
相場のトレンドに確信がもてない時は売買しない。
(6)疑わしい時は手仕舞い、取引をしない。
「売るべし、買うべし、休むべし」トレンドが明確でない時は売買しない。
(7)活発な銘柄(市場)のみを取引する。動きが鈍く、活気のない銘柄(市場)には手を出さない。
(8)リスクの均等分散。できれば四つか五つの銘柄(2種か3種の商品)を取引する。
資金全部を1銘柄(商品)に集中させることは避ける。
(9)指し値をしてはならないし、売買の価格を固定してはならない。成り行きで売買すること。
(10)十分な理由なしで手仕舞わない。利益を守るには、ストップ・ロス・オーダーでフォローする。
(11)実現益は蓄積せよ。連続して取引に成功したら、一部は温存し口座に入れ、
緊急時やパニック時にだけ使うこと。
(12)配当目当てで株を買わない。小掬い商いはしない。
(13)難平をしない。難平はトレーダーの最大の誤りである。
建玉法は大きく分けて「利乗せ」と「難平」とがある。
追加建玉をするのは相場が有利に動いている時に限定する(利乗せ)。
(14)我慢できないというだけで相場から逃げない。また、待ちきれなくなったというだけで手を出さない。
(15)小さな儲けと大きな損は避ける。
(16)建玉と同時にストップ・ロス・オーダーを出し、これをキャンセルしない。
(17)あまり頻繁に売買しない。のべつ幕なしに売買を重ねると判断が変わることが増え、
トレンドを見誤る可能性が高まる。
(18)買いをいとわないのと同様に、空売りをいとわないこと。トレンドに追随し、儲けることを目的とする。
(19)安いというだけで買ってはならないし、高いというだけで売ってはならない。
(20)ピラミッディング(乗せ商い)のタイミングに注意する。
株式(商品)が非常に活発になり抵抗線を抜けるのを待ってから買い増しし、
支持線を割るまで待ってから売り増しする。
(21)上げ相場の場合、あげるほど小さな枚数で買い増ししていく。
買い場でピラミッディングをするときは発行済株数の少ない銘柄を選び、
空売りの時は発行済株数の多い銘柄を選ぶ。
買いのピラミッディングをするには強力な上昇トレンドを示す銘柄(商品)を選び、
売りのピラミッディングをするには明確な下降トレンドを示す銘柄(商品)を選ぶ。
(22)ヘッジは決してしない。ある銘柄(商品)を買い建てしていてその価格が下がり始めた時、
これをヘッジしようとして別の銘柄(商品)を空売りしてはいけない。
この場合は相場から手を引いて損を確定し、次の機会を待つ。
(23)十分な理由なしにポジションを変えないこと。取引する場合は十分な理由に基づくか、
または明確な計画(ルール)によること。
また、相場のトレンドが変わる明白な微候なしには手を引かない。
(24)長期間成功し儲けた後で取引量を増やすことは避ける。
いかに調子がよくても満玉を張ってはならない。
(25)相場が天底となるときを当て推量してはならない。天底は相場が明らかにする。
明確なルールに従うことで、相場をすることができる。
(26)自分よりも相場を知らない人の助言に従ってはならない。
相場で成功するには、自分で研究し、自分なりの意見をもたなければならない。
(27)損が出た後では取引量を縮めよ。もし3回連続で損をしたなら、
取引量を減らし、残っている元手の10分の1のリスクだけを取る。
(28)間違えて入るのをさけるのと同じく、間違えて手仕舞うことも避ける。
どれも頭で理解できるけど、行動に移したり、継続していくことができていないと
自覚できた人はまだ成長できる余地があるということです。
ギャンファンの構造と使い方
ギャンアングルは、自然科学の振動の法則、振り子の原理に基づく
ギャンの直感が前提になっています。
図のように扇型でギャンファンは表されます。
ギャンファンの構造
ギャンファンは、起点から終点(谷(ボトム)から山(トップ))に当てます。
この起点から終点を1×1の正方形(時間座標1目盛りに対して価格座標1目盛り)と考えます。
その1×1の角度45度を初期値としています。しかし実際のチャートでは
起点と終点に合わせても45度のようになることは稀です。
(時間と価格の両方で動いているため、相場は斜めに動いているのが理由)
そのため45度ということには囚われず、1×1というものが基準ということだけ
覚えていれば大丈夫です。
各ラインの角度は以下の通りです。参考程度に。
1×4=75度
1×3=71.25度
1×2=63.75度
1×1=45度
2×1=26.25度
3×1=18.75度
4×1=15度
8×1=7.5度
ギャンファンの使い方
上昇していく動きなら谷(ボトム)から山(トップ)、
下落していく動きなら山(トップ)から谷(ボトム)に引きます。
1つの波ができたらフィボナッチファンを引く、と覚えてください。
複数の波ができる場合、最新のギャンファンの1×8、8×1を抜けるまでは
同じ方向にギャンファンを引いていきます。
1つの波ごとに引いて重なる部分や近いところができたら、
その部分はゾーンとして意識されやすい可能性が出てきます。
上図は見づらいですが、各ギャンファンを色別にし、
それぞれの引く方向も同じ色別にしました。
上昇トレンドが終わり始めるタイミングはギャンファン(青)8×1を抜けたところになります。
それまでは上昇トレンドであり、ギャンファン(青)8×1を抜け、
ギャンファン(青)を引くことになった谷(ボトム)を抜けると
上昇トレンドが終了します。
つまりギャンファン(青)8×1を終値で抜けたら
遅くともロングポジションを持っている必要がなくなるということです。
ギャングリッドの構造と使い方、トレード方法
ギャングリッドは指定した点からギャン・ラインが引かれ
そのラインをベースに格子状のが引かれます。
通常この格子状の大きさは任意で設定でき、
この枠内の大きさは17本のプライスバー(ローソク足)が入るのが標準です。
JForex3では17本の奇数の設定はできず、
17本にするにはその半分である8本分の幅を最初にとると
格子の幅が16本となり、17本に近づきます。
17本に1本たりませんが許容範囲内で、あまり変わらないので、
最初にギャングリッドを引くときは8本を目安にしてください。
ギャングリッドの使い方
先ほどと同じ画像ですが、ギャングリッドの使い方はとても簡単です。
格子状の交点付近が意識されやすい価格になります。
格子状の斜めのラインはサポート/レジスタンスラインの役目をします。
交点を終値で超えてくると次の交点の価格を目指していき、
終値で超えてきたものが、再度終値で抜けてくると、
山(トップ)や谷(ボトム)を作ったことになります。
斜めのラインを終値で超えてくると、その方向へ強く動いたことになり
次の格子状の斜めの動きを意識した動きになります。
このとき終値で超えてきた斜めのラインを、再度終値で抜けてくると
その角度での動きの強さがなくなったと判断できます。
しかし、このときはまだトレンド転換ではないため、
必ずギャングリッドを引く起点からの斜めのラインをベースに
トレンド転換を認識するようにしてください。(上図では青矢印左)
ギャングリッドの引き方
次にギャングリッドの引き方です。
⑵各トレンドの起点にギャングリッドの始点を合わせる。
⑶ギャングリッドの最初の斜めライン(赤太線ラインに該当するライン)を
前回のトレンドの起点に合わせる。
たったこれだけです。
これだけで重要な斜めのサポート/レジスタンスライン、値動きのターゲット、
山(トップ)や谷(ボトム)、トレンド転換のポイントが分かるなんて
お手軽もいいところです。
ギャングリッドのトレード方法
次に最新のEURUSD(ユーロドル)に合わせて、トレード戦略を練っていきましょう。
先ほどの手順でギャングリッドを引きます。(実際に引きながら確認してください)
格子状の交点は価格のターゲットであり、終値で超えてくれば次の交点がターゲットになります。
赤ライン、青ラインのどれかを終値で超えてきたら、
直近の交点がある価格、わかりやすく平行線(緑)を引いた辺りがターゲットになります。
その値幅は80pips程度です。
ですが、これはあくまで斜めに動いた場合です。
週明け、急騰か急落し、平行線(緑)を抜けるスピードと時間が早ければ
さらに80pips上の交点(平行線(緑)の半分にあたる部分の上下の交点)が
ターゲットになります。
また、どちらかの緑ラインの価格付近で動きを抑えられた場合、
さらに超えてきた場合は次の交点の価格を意識した動きになります。
週明けの動きがどうなるかを一緒に見ていくことにしましょう!
まとめ
ギャンファンは、起点から終点(谷(ボトム)から山(トップ))に当てます。
この起点から終点を1×1の正方形(時間座標1目盛りに対して価格座標1目盛り)と考え、
その1×1の角度45度を初期値としています。
しかし実際のチャートでは45度のようになることは稀です。
ギャンファンを複数引いて重なった部分や近い部分は意識されやすくなります。
ギャングリッドは格子状の幅に入るローソク足を[17本]に設定して使います。
実際には[17本]は引けないため[16本]にします。
格子状の交点は意識される価格であり、斜めのラインはサポート/レジスタンスラインとなり
終値で抜けてくることで強い動きになるのか、トレンド転換していくかを
見分けることができます。
ギャングリッドの引き方は
⑴格子状の幅を[16]にするため、8本分のローソク足を計測する。
⑵各トレンドの起点にギャングリッドの始点を合わせる。
⑶ギャングリッドの最初の斜めライン(赤太線ラインに該当するライン)を
前回のトレンドの起点に合わせる。
この方法で全てのライントレードに使うツールを網羅しているため
ギャンググリッドを極めてしまう方が、効率的だと思います。
引き方もシンプルなので、山(トップ)と谷(ボトム)、その繋がりであるトレンドを
しっかりと正確に認識できるようになったら、ぜひギャングリッドを使ってください。
ギャンと同じような利益率を生み出せるかもしれません。
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