最近はチャネルラインと波動、移動平均線(SMAの組み合わせとEMAの組み合わせの両方)を
関連づけながらトレードをやっています。
その中でエリオット波動の動きをチャネルラインで引くと、どうしてもズレが生じやすくなります。
そもそも紹介されているような教科書の理想的な動きをするときはほぼ無く
変則気味に動いていることがほとんどであり、特に戻り(調整)の修正波が多いです。
エリオット波動の教科書の動きと実際のチャートの動き
どういうことかというと、上図左のエリオット波動の教科書の説明です。
しかし実際にはこんなきれいに動きが出るわけではなく、右の実際の動きパターン一例のような
動きであることがほとんどです。
修正波のフラットパターンでは拡大フラットパターンでは上下に振り回してから
推進波の初動につながっていくパターンがあります。(上図パターン1)
修正波のジグザグでは、最初の下落(修正波A)が急落で、次の下落(修正波C)は
修正波Aの安値を少し更新しただけで終了し、推進波初動に繋がっていくパターン。
または修正波Aが短く、修正波Cが長いパターンがあります。(上図パターン2)
修正波のペナントでは教科書ではきれいな三角形で紹介されていますが
最初の下落(修正波A)が急落でその後(修正波B~E)が出るパターンがあります。(上図パターン3)
そのため、今見ている時間枠で起きているなら見分けがつきますが
その下の時間枠でこのような変則的な動きがあるためにチャネルラインがズレることにつながります。
(例:見ている時間枠が15分足でその下の時間枠が5分足)
変則的な動きとは何から起きるか
変則的な動きはつまるところ、時間と価格の関係になります。
価格が先行して動く場合は縦に動きやすく、
時間との兼ね合いで動く場合は緩やかになるか、全く動かない保ち合いのような動きとなります。
この動きを予測するにはテクニカル分析で導き出すしかなく、
そのためにチャネルラインを使ってチャートの値動きを上下に分けたり
波動と波動の関係性からトレンドが続くかどうかを見分けます。
エリオット波動の教科書的な動きとチャネルライン
エリオット波動の動きにチャネルラインを引くルールのようなものがあります。
3波を導くチャネルライン(白チャネルライン)
起点(0点)と2波を結んで、1波の頂点にチャネルライン上限を引き
その上限を超えてくると3波目が生まれます。このチャネルラインを上に重ねて等倍分すると
3波の頂点を把握しやすくなります。
4波を導くチャネルライン(黄チャネルライン)
1波と3波を結んで、チャネルラインの下限を2波に引きます。
このチャネルライン下限を抜けることが4波の条件です。
5波を導くチャネルライン(青チャネルライン)
2波と4波を結んでチャネルライン上限を3波に引きます。
このチャネルライン上限を目指して5波が動くと予測します。
チャネル上限を超えて動くこともあるし、
上限を超えずに下限を抜けた後も上昇を続ける動きが出ることもあります。
実際のチャートでエリオット波動とチャネルラインを観察する
GBPJPY(ポンド円)15分足のチャートでエリオット波動上昇推進波のカウントです。
上図は3波を予測したチャネルラインです。
この場合はチャネルライン上限で3波が終わるような状況となっています。
次に4波を予測したチャネルラインです。
2波のチャネルライン下限を抜けたところが4波候補となるので、
4波がどこで止まるかがチャネルライン抜けのポイントとして考えていきます。
最後に5波を予測したチャネルラインです。
この場合はチャネルライン下限を抜けても上昇が続いた相場です。
このような時は下に同じチャネルラインを等倍分して重ねるか
新たにチャネルラインを引くかになります。
この状態の時は価格と時間の関係から縦気味よりも斜め気味に動くため
チャネルラインのズレが生じていることになります。
先程のチャネルラインの引き方で引いたのが白チャネルライン、青チャネルラインです。
どちらを選ぶかは状況次第ですが、実際に動いていて先が見えない状態であれば
迷わず青チャネルラインの引き方を選び、5波の頂点は青チャネルライン下限を抜けて
初めて確定すると判断します。
全てのエリオット波動の各1波は大きな波の一部である
先程のエリオット波動の推進波は結果的には大きな推進波の3波でした。
推進波でなく、修正波の3波構成で終わることもありますし
エリオット波動を考えるときは、常に3波構成で考えると5波が出てきた時も
慌てずに考えることができます。
全ての波は3波構成か5波構成で出来ており、短期的には上昇(または下落)でも
中期的には下落(または上昇)、長期的には上昇(または下落)ということを
3波構成か5波構成かで考える必要があります。
そのために先程の例では短期視点で見ていても中期視点以上で大きく見ていくと
エリオット波動に合わせたチャネルラインだけでは心もとないです。
そこで次にあげる2つのパターンも考えておくと相場を俯瞰的に見ることができます。
チャネルラインの引き方 複数パターンで考える
チャネルラインは奥が深く、さまざまなパターンを覚えて
常にチャートに複数パターンを引いておくことが必要になります。
ここでは先程のエリオット波動のカウントを元に2パターンの引き方をしていきます。
三尊/逆三尊天井
基本的に三尊/逆三尊天井を考えるときは、推進波3と修正波Bを結びます。
応用として、修正波Bと推進波2を結びます。
修正波の場合はW波もしくはX波で結ぶこともあります。
そうした考え方でチャネルラインを引いたのが上図です。
トレンド転換もしくは意識されている2つの頂点を結ぶ
トレンド転換した頂点を結んだり、意識されている頂点を結んでチャネルラインを引くパターンです。
ここではX波と推進波1を結び、Y波に下限を引きます。
このチャネルラインを上に等倍して重ねます。
3波がラインにぴったりではないですが、このままにしておきます。
次にこのチャネルラインと同じ角度のラインを引き、点線などに表示にして区別し
各反発/反転ポイントに引くと、そのラインの角度でぴったりと意識されています。
このようなことはいつも起きます。
もし先程のチャネルラインをそのまま使って3波候補を導くには
オレンジ矢印の反発ポイントにチャネルラインの下限を合わせることで可能です。
このようにずらしたラインも色分けしておくと良いです。
最後に
チャネルラインは奥が深いので、エリオット波動と組み合わせたりすると面白いです。
エリオット波動でなくても波ができた部分を結ぶ条件を自分で考えて検証するなど
テクニックを自分で身につけることで相場の本質が見えて反発/反転するポイントが
事前にわかるようになります。
さらに単純移動平均線SMAや指数関数移動平均線(EMA)の角度を見て
チャネルラインの角度と引くポイントを考えたりすると
より意識される可能性が高いラインを引くことができます。
この辺りはまた記事として公開していきたいと思います。
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