罫線分析(トレンド/チャネルラインや水平線を引いた分析方法)をしていくと
偶然引いたラインが何故か意識されて反発/反転していく機会を目にする機会があると思います。
これを偶然ではなく、必然として考えていくとライン引きの沼に徐々にハマっていきます。
値動きは偶然で決まっているわけではなく、さまざまな要因を含んで値が止まり
逆の方向に動いています。このポイントを事前に知ることができ、ヒゲ先からエントリーし
リスクリワードが高くなるのでは?というのが今回の内容です。
ラインは万能なのか
答えを先に言うと、万能です。
しかし万能にするには、個々人の努力と時間が必要です。
万能ツールとして簡単には使いこなせないのが憎いところですが
使いこなせるようになれば、「これしか必要ない!」と言える境地に辿り着きます。
ラインと言えど、水平線、トレンド/チャネルラインがあるため
順を追ってそれぞれ説明していきます。
水平線
価格のみを最優先にして引く方法です。
チャートは時間と価格両方で動いているためその片方しか見ていないことになりますが
意識されている価格や価格帯を見分けるための基本中の基本です。
例えば、紫枠の中で意識された高値を引くとすると、青矢印の部分が通常引けます。
これがよくセミナーや本で教えるようなポイントです。
でも、果たしてこれが本当に高値なのでしょうか?
紫枠以降の動きを見ていくと確かに意識されているっぽくは見えます。
ですが、ここは少し頭をもう少し使って、もっとこの高値近くに意識されているような価格はないかを
考えていくことにしましょう。
後述する内容と重複しますが、実はこの教科書通りの高値は
「高値ではある」けれど「意識されている価格」ではありません。
高値や安値という観点では教科書通りに引いているので合っていますが
意識されている価格という観点では違うということです。(ここが大事!)
意識されている価格の水平線
では意識されている価格はどこか、先ほどの紫枠から探っていきましょう。
少し考えてから次の画像を見てください。
左に少しずらした先ほどの高値が出るまで高値だったところが
意識される可能性のある水平線になります。
紫枠以降を見ると、この価格で綺麗に反応して上昇を抑えられています。
つまりこの価格が先ほど引いた高値を更新するまでは、意識される可能性がある価格となります。
結果的には、先ほど引いた高値を超えたため
先ほどの高値に引いた水平線が今後は意識される価格ということになります。
そうでない限りは高値の左側にある高値が意識される可能性がある価格という認識を持つことが
意識される価格を見つけるために必要です。
トレンド/チャネルライン
トレンドラインやチャネルラインも同様です。
ですが、まずは通常の引き方から見ていきましょう。
通常ならこのように引きます。
この引き方はトレンド/チャネルラインの教科書通りの引き方です。
意識されている価格のトレンド/チャネルライン
では次に意識されているトレンド/チャネルラインを見ていきましょう。
青矢印の左側を起点に右側2つの矢印(右側の左部分はヒゲ、右部分は終値)で結ぶと
緩やかなトレンドラインになります。
この角度でチャネルラインを引くとこうなります。
チャネルライン上限のはみ出た部分は、この角度と同じラインで左側の高値分の値幅を取り
上に重ねていくと不思議なことに2つ分でピッタリ重なります。
(実際の動いているチャートで判断するのは慣れていても難しい)
このような感じです。
次に、この角度のラインを安値に合わせるとどうなるか。
考え方としてはこの安値に置いたラインを抜けると、斜めで見た時のサポートラインが完全に
抜けることになるので、さらに下落が続いてくると判断できます。
次に逆向き(右下ライン)のラインの時はどうか。
こちらも同じように左側の青矢印を起点にし、右側2つでライン/終値でうまく重なるような
位置で角度を調整してチャネルラインを引きます。
ちょうど昨日の雇用統計で瞬間的につけた高値がチャネルライン上限で抑えられています。
このように通常の引き方だけでなく、意識されている価格でトレンド/チャネルラインを引くと
精度の高いラインが引けるようになります。
ラインを引くときの起点はヒゲ部分(状況により終値になるケースあり)
終点はヒゲか終値の両方を考えて、状況に合わせる。
多くのトレーダーが見ているトップ/ボトムは本当のトップ/ボトムではない
始めの方に少し書きましたが、ラインは高値/安値(トップ/ボトム)から引きましょうと
よく言われていますが、それは価格が動いて止まった最終攻防の末に確定されたものです。
しかし意識されている価格というものは、それとは違います。
将来的にその価格が意識されてその前後で値動きを止められやすく、反発/反転しやすくなります。
高値/安値(トップ/ボトム)の近くには必ずその左右に意識されるような価格が存在しており、
その価格を見つけ出し、流れに沿ってトレンドラインを引いたり、チャネルラインを引きます。
そうすると面白い現象が起きます。
意識されているラインを斜めで見つけ出し、
上昇トレンドなら安値合わせてチャネルラインを作り、その等倍分を上に当てていきます。
下降トレンドなら高値に合わせてチャネルラインを作り、その等倍分を下に当てていきます。
上の6つの図のようにぴたりと一致する図形のようであり、パズルのようになります。
高値/安値(トップ/ボトム)とは何なのか
高値/安値(トップ/ボトム)とは、意識されている(将来的に意識されるであろう)価格を抜けて
動き続けるかを試した形跡であると個人的に考えています。
意識されている価格を超えて上昇/下落が続けばトレンドが続いている証拠であり
値動きが大きくなっていくということに繋がります。
しかしすぐに戻されてしまうようであれば、また意識されている(将来的に意識されるであろう)価格に
戻されてトレンド転換をするか、レンジに入るかなど売買が錯綜するような展開に入っていきます。
このようなポイントが逆張りをしても良いポイントであるため
積極的に狙うことを考えても良いかもしれません。
まとめ
FX会社のサイト、トレーダーのブログやSNS、本などで紹介されている高値/安値(トップ/ボトム)は
本当の意味で高値/安値(トップ/ボトム)ではありません。
意識されている(今後されるであろう)価格を超えて動き続けるかを試した形跡であり
超え続けることができればトレンドが完成します。
逆に超えられなければトレンド転換かレンジに入るい動きを見せていきます。
この意識されている(今後されるであろう)価格自体を見るためには水平線を引きます。
しかしチャートは時間経過も関係するため、時間と価格の斜めの動きを見るために
トレンド/チャネルラインを引く必要があります。
このトレンド/チャネルラインはパズルのようになっており、
色々な組み合わせを考えておくと、相場の最終着地点が見えてきます。
よって、ラインは万能ツールとして相場の動きを可視化してくれますが
それを使いこなせるかどうかは練習をし続けて、リアルタイムで引けるようにならないと
意味がありません。
今回の相場の仕組みを解明するためのラインの重要性と引き方の参考になれば幸いです。
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