通常、テクニカル分析をするときは過去のチャートから意識されているラインを見つけたり、
インディケーターのシグナルが発したところから分析していきます。
しかしそれだけでは実際の値が動いているときのテクニカル分析としては
不十分であり、実際のトレードではあまり役に立ちません。
その理由は皆さんもお気付きのように、値動きは常にイレギュラーな動きが起きており
引いたラインが通用しなくなる場面が都度起きているからです。
この点を見落として過去チャートのテクニカル分析をしても
すでに表示されているローソク足をもとにしているため、
無意識に補正をかけてしまい、実践的なテクニカル分析をすることができません。
今回は実践的なテクニカル分析を練習し、トレードに役立たせるための
Trading Viewの[バーのリプレイ]機能を使ったバックテストの方法を解説していきます。
[バーのリプレイ]は真のトレード力を高めることができる
常に変動している相場に対応するには、先に書いた通りイレギュラーな動きを
どれだけ考慮して分析し、判断し、トレードに組み込んでいくのかが必要になります。
そのためには将来の値動きが見えていない状態でテクニカル分析をしていくことが
重要になっていきますが、通常のチャートではPC画面を物理的に隠すしかありません。
しかしTrading Viewで[バーのリプレイ機能]というものがあり
ある地点から先のローソク足(バー)を消し、指定秒数または手動で
1本1本表示させていく機能です。
これにより、自分が引いたラインないし、インディケーターのシグナルが
自分が思う方向に動いたのか、リトレイスメントが起きてもどの段階までなら許容範囲なのかを
意識しながら、実際にトレードしている感覚で再現できます。
つまり、自分の手法をバックテストできるばかりか、シャドートレードもできる
真のトレード力をつけるためのシークレットツールなのです。
[バーのリプレイ]の使い方
赤枠で囲ったアイコンが[バーのリプレイ]機能です。
このアイコンをクリックすると次の画像のようになります。
赤縦ラインが出てきますので、任意で自分が再生したいポイントに当てます。
当てたポイントでクリックすると、そのポイントより先のローソク足が消えます。
画面左端にポップアップ枠が出てきます。
各役割は図に記載している通りです。
「再生」アイコンをクリックすると「スピード」で設定した速さで
ローソク足が1本1本表示されます。
自分のペースでローソク足を表示させたい場合は、
「前へ」アイコンをクリックするとクリックしたタイミングで表示されます。
以上が[バーのリプレイ]昨日の使い方です。
次はこれをどう利用すればトレード力をつけられるのか。
バックテストの方法を解説していきます。
バックテスト/シャドートレードの方法
[バーのリプレイ]機能を表示させ、再現したいポイントを確定させます。
次にトレンドラインやチャネルライン等を引きます。
インディケーターも表示させる人は表示させます。
左の描画バーの上から7番目のアイコンをクリックし、
[バーのパターン]か[ゴーストフィード]を選択します。
どちらを使うかは自由です。使い方は後日アップします。
バーのパターン
[バーのパターン]とは過去の動きかたは、将来に似たような動きをもたらすという
フラクタルの原理を使った描画方法です。
現在ではTrading View以外では似たような機能はありません。
ゴーストフィード
[ゴーストフィード]は、自分が考える動き方を指定すると
仮定のローソク足が表示される機能です。
これらのどちらかを表示させたら、
次にどこでトレードをするのかを考えていきます。
その時にリスクとリワードをわかりやすく表示するのが
[ロングポジション]、[ショートポジション]です。
ロングポジション/ショートポジション
緑枠がプロフィットゾーン(利益ゾーン)、
赤枠がリスクゾーン(損失ゾーン)を表しています。
このようにして、どこでエントリーするかを決め、リスクリワードの比率で
トレードしていたらどうだったかをノートやエクセルなどにまとめていきます。
バックテスト/シャドートレード実例
リスク:リワード=1:3としました。
損切りラインは最安値を抜けたところより下、
プロフィットライン(利食いライン)はブレイクして抜けたトレンドライン、
ダウンチャネル(赤)の上限にタッチするあたりを設定します。
それでは実際にどうなったかを見ていきます。
10本ほどでプロフィットラインを達成しました。
通貨ペア | ロット数 | L/S | エントリー | 決済 | 損益 |
USDJPY | 0.1(1万通貨) | L | 104.80 | 108.00 | 32,000 |
この次の動きがどうなるかを考えていきます。
チャネルライン上限とトレンドラインからの反転を予測し、
プロフィットターゲットはチャネルラインを引くきっかけとなった値幅分、
損切りラインは直近高値を少し超えたところに設定。(リスク:リワード=1:5)
当初考えていたように下落せずに上昇してきたため
損切りラインに引っかかりました。
通貨ペア | ロット数 | L/S | エントリー | 決済 | 損益 |
USDJPY | 0.1(1万通貨) | L | 104.80 | 108.00 | 32,000 |
0.1 | S | 108.00 | 109.50 | -15,000 |
次は少し様子を見つつトレードタイミングを見計らうことにしました。
上昇チャネルラインに戻ってきましたが、維持できずに下落しています。
しかし上昇チャネルラインを作るにあたった下限のポイントから始まる上昇トレンドは
まだ続いているため、直近の安値から反発してきたら買いポイント。
上昇してきた後にチャネル下限で上昇を抑えられたら売りポイントと考えました。
(今回はトレードしないことにした)
結果を見てみると、安値がサポートされて上昇してきたところまでは
予想通りだったので、トレードしていればプラスになります。
しかしチャネル下限まで上昇せずに、直近の高値を超えられずに下落したため
もし利食いをしていなかったらマイナスになっていたポイントです。
以上のようなことを繰り返して最低1ヶ月分をまとめていった時に
自分のラインの引き方やインディケーターの使い方で利益が出たのかを確認します。
そして次に1ヶ月分、1ヶ月分とデータを増やしていき、
1年間でどのくらい損益が出たかを確認します。
これを5年間くらいやって利益が出ていれば使える手法/考え方で
自分のやり方でやっていけるはずです。しかしそれでも試行錯誤は必要です。
逆に損失が多くなった場合はやり方が間違っていた可能性が高いので、
利益を残すにはどうすれば良いかを考えることになります。
まとめ
ここまで[バーのリプレイ]機能の使い方とバックテスト/シャドートレードの方法は
いかがだったでしょうか。
初めて使う機能だと思うので、最初は戸惑うかもしれませんが
使い勝手がわかるとずっと使いたくなってしまう機能だと思えるはずです。
相場の待ち時間に違う通貨ペアでトレードをシュミレーションしてみたり
有料版を使い、マルチタイムフレーム分析でリプレイ機能を使ってみるなど
バリエーションが増えれば増えるほど、トレード力が培われます。
マルチタイムフレーム分析ができてこそトレード力が一気に上がるので
リプレイ機能に慣れてきたら、有料版を使って他のトレーダーたちを
一気に追い抜かしてしまいましょう!
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