ディナポリ手法、2回目の記事は、トレンドの反発/反転を示す
ダブルレポと、失敗したパターンのダブルレポフェイラーを解説します。
前回のシングルペネトレーションでトレンドが続く場合の
トレンドフォロー型のトレード方法はわかりました。
次は相場の反転/反発を高確率で判断できる方法が欲しいと思ったかもしれません。
ディナポリ手法は今回の「ダブルレポ」という取引手法を生み出し、
判断方法を世界に公開してくれました。
彼はこの方法を
「シングルペネトレーション」が、毎日のように食べる朝食であれば、
「ダブルレポ」は豪華なフルコースディナーだ!
と称しています。
相場の反転/反発を見極めるダブルレポ、
それができずに元のトレンドに勢いがつくダブルレポフェイラーを解説していきます。
※多くのサイトでは説明が大きく間違っているため、
この記事で解説している条件が正しいものです。
ダブルレポとは何か
ダブルレポとは、double repenetration(ダブル リペネトレーション)のことで
2回の突き抜けが必要ということです。
シングルペネトレーションが1回だけの突き抜けのトレンドフォローだったのに対して
ダブルレポは2回の突き抜けをすることで反転/反発のサインとみなしています。
上図がGBPUSD(ポンドドル)でダブルレポが発生した箇所です。
これらを判断するための条件を確認していきましょう。
ダブルレポの条件
⑴Thrust(スラスト)を確認する。
このとき、8~10本を確認することが最低条件。
15本以上続いていれば、より好条件。
⑵[DMA3×3]を2度割り込む。
※終値で認識すること
ボトム/トップでつけた安値/高値同士の距離が、
互いに接近していなければいけず、その距離が8~10本以内でなければいけない。
(3~4営業日が望ましい)
⑶これらは高値圏(高値-安値)/安値圏(安値-高値)の[0.618]の戻り水準(損切りライン)に達するか、
ディ・ナポリのフィボナッチの目標ポイントを達成するまで持続される。
文字だけではわかりづらいので、先ほどのチャートで見ていきましょう。
⑴Thrust(スラスト)を確認する。
両方ともスラスト8本以上となっています。
さらに15本以上の好条件となっているため、最適な条件となっています。
(ちなみに左側はアップスラスト、右側はダウンスラストと呼びます)
「はらみ足を除くと」と書いているのは、
はらみ足中の足は、はらんでいる期間は高値や安値以上に価格の更新がないということなので
除外する方が良いと個人の判断です。
通常はカウントしていくことになります。
⑵[DMA3×3]を2度割り込む/安値・高値同士の距離が接近/8~10本以内
[DMA3×3]を2回突き抜けた(終値で割り込んだ)
その期間は左側11本、右側12本でオーバーしていますが、
はらみ足を除外すると条件を満たしています。
はらみ足を除外するかしないか、どちらが良いかは判断がつきにくいですが
値動きの概念からすると除外した方が良いと思っています。
⑶高値圏(高値-安値)/安値圏(安値-高値)の[0.618]の戻り水準(損切りライン)に達するかディ・ナポリのフィボナッチの目標ポイントを達成するまで持続
ダブルレポが発生したとき、どこで損切りをし、どこで利益を確定するのかを
決めなくてはいけません。
・高値圏(高値-安値)/安値圏(安値-高値)の[0.618]の戻り水準(損切りライン)に達する
・ディ・ナポリのフィボナッチの目標ポイントを達成
この2つのどれかを満たすまではダブルレポのシグナルは解消されません。
・高値圏(高値-安値)/安値圏(安値-高値)の《0.618》の戻り水準(損切りライン)
先にこちらから解説すると、
[DMA3×3]を最初に抜けた高値(安値)-次に抜けた安値(高値)でフィボナッチリトレイスメントを引き、
その[61.8%]を損切りラインにするということです。
図の赤太線が損切りラインです。
・ディナポリのフィボナッチの目標ポイント
聴き慣れない「フィボナッチの目標ポイント」という言葉があるため
ここで説明します。
ディナポリレベルでは、理論的利益目標をフィボナッチ数列から派生する水準と
オシレータープレディクターより求めています。
フィボナッチ数列から派生する水準とは、主にこのフィボナッチ拡張分析で決定しています。
フィボナッチ拡張分析にて使用するフィボナッチ数列は
[0.618]、[1]、[1.618]です。
・目標ポイント(OP):前回高値から前回安値を引いた値を反転ポイントにプラスしたもの
・目標ポイント(COP):前回高値から前回安値を引いた値に[0.618]を掛け合わせたもの
・目標ポイント(XOP):前回高値から前回安値を引いた値に[1.618]を掛け合わせたもの
<計算式>
OP = (B-A)+C
COP = (B-A)×0.618+C
XOP = (B-A)×1.618+C
これらは、「フィボナッチエクスパンション」というツールの初期設定と
なっているはずなので、必要に応じて変更してください。
このことを理解し、フィボナッチの目標ポイントを見ていきます。
先述したフィボナッチエクスパンションを使って判断します。
基本的にXOPまでいくのはトレンドが強く出ているときのため
OPを普段の目安にしていくことになります。
また、XOPより長く進むこともあるため、261.8%くらいは設定しておくと良いです。
上図のように423.6%までいくことは、世界中で何かが起きているときか
その通貨の国に重大なことが起きていることになります。
ダブルレポフェイラー
double repenetration failure=ダブルレポの失敗
相場は利益を上げるために、たくさんの参加者が日々ひしめき合っています。
自分の利益は相手の損失のため、相手の裏をかいたり、大衆に乗ったりと
いろいろなことが起きています。
ダブルレポフェイラーは、本来上昇、または下落していく動きが途中で止められ、
損切りラインを超えて逆方向に大きく動くことを言います。
先ほどのチャート図に当てはめてみると、
上図の赤茶折れ線矢印ように、損切りラインに到達することがあったかもしれません。
このとき、損切りにかかったことでダブルレポフェイラーとなり、
ドテンしていく方法をとっていきます。
[フェイラー系]は、必ずフェイラーが発生してからトレードすることになります。
サインが出ていないときはフェイラーではないので絶対にトレードしません。
実際のチャートを使ってダブルレポフェイラー を確認しましょう。
下落していくダブルレポフェイラーパターンです。
ダウンスラストからダブルレポを形成しましたが
損切りにかかったことで、タブルレポフェイラー となりました。
その後の動きはどうかというと、下落基調となっています。
上昇していくダブルレポ フェイラーパターンです。
アップスラストからダブルレポを作り、下落していく流れでしたが、
安値を少し更新しただけで逆方向に戻り、損切りラインを超えて大きく上昇しました。
まとめ
ダブルレポ(double repenetration)の条件は以下でした。
⑴Thrust(スラスト)を確認する。
このとき、8~10本を確認することが最低条件。
15本以上続いていれば、より好条件。
⑵[DMA3×3]を2度割り込む。
※終値で認識すること
ボトム/トップでつけた安値/高値同士の距離が、
互いに接近していなければいけず、その距離が8~10本以内でなければいけない。
(3~4営業日が望ましい)
⑶これらは高値圏(高値-安値)/安値圏(安値-高値)の[0.618]の戻り水準(損切りライン)に達するか、
ディナポリのフィボナッチの目標ポイントを達成するまで持続される。
フィボナッチの目標ポイントは
フィボナッチエクスパンションの[61.8%]、[100%]、[161.8%]
ダブルレポフェイラーは、本来反転/反発して逆方向に動くはずが
そうはならずにダブルレポの損切りラインを超えて反対方向に動くことでした。
ダブルレポは強い転換サインのため、それが裏切られたということは
インパクトが強いということなので、損切りラインでドテンをすれば
高確率でその波についていけることを意味しています。
しかしフェイラー系は、シグナルが出て(ダブルレポでは損切りにかかる)から
トレードすることが絶対条件であり、シグナルが出ていない場合は取引しません。
前回のシングルペネトレーション、今回のダブルレポ/ダブルレポフェイラーは
ディナポリのパワーパターンと呼ばれるものの種類です。
このパワーパターンについては次次回、しっかりと解説していきます。
次回はディナポリの基本的な戦略とD-Levelsについて解説していきます。
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