チャートパターンで有名なものの1つがヘッドアンドショルダー。
日本語では三尊天井・逆三尊天井と呼ばれるものです。
実のところ、全てのチャートの動きは、この三尊天井・逆三尊天井でできています。
チャートの形を覚えて、これらを意識するとチャートを見る目がさらに養われます。
三尊天井・逆三尊天井も上位足のトレンドを把握しておかないと使いこなすことは難しいため
前回のダブルトップ・ダブルボトムと同じように上位足のトレンドを意識しておきましょう。
ヘッドアンドショルダー(三尊天井・逆三尊天井)の基本の形を覚えよう!
・ヘッドアンドショルダーの条件(三尊天井)
- 左肩(ショルダー/LS)より頭(ヘッド/H)が高い
- 右肩(ショルダー/RS)は頭(ヘッド/H)が低い
- ①谷より②谷の方が低い(ことが望ましい)
- ②谷より低くなることでヘッドアンドショルダー(三尊天井)が確定
・ヘッドアンドショルダーの条件(逆三尊天井)
- 左肩(ショルダー/LS)より頭(ヘッド/H)が低い
- 右肩(ショルダー/RS)は頭(ヘッド/H)が高い
- ①山より②山の方が高い(ことが望ましい)
- ②山より高くなることでヘッドアンドショルダー(逆三尊天井)が確定
ヘッドアンドショルダー(三尊天井・逆三尊天井)はここに注意!
ダブルトップ・ダブルボトムの記事で解説したように、
ヘッドアンドショルダー(三尊天井・逆三尊天井)にも注意すべきポイントがあります。
これらを理解していないのが三尊天井・逆三尊天井のチャートパターンで勝てない原因です!
形だけで判断せず、上位足のトレンドを意識する!(上昇トレンド)
チャートは三尊天井の例です。
先ほどの4つの条件を満たして三尊天井が確定。
本来なら下落が続くはずですが、下落せずに上昇していきました。
これはなぜでしょうか?
答えは上昇トレンド中だからです。
そのため本来のチャートパターンで「下落するぞ!」と思ってショートエントリーしても
上昇トレンドを狙うトレーダーの押し目買いの餌食になりやすくなります。
ポイント1 長期EMAによるトレンド判断
長期EMA(赤)が上向きを維持し、折り返していないため200期間の平均が値上昇中です。
このタイミングで下落を狙うのは得策ではありません。
『利食いによる反対売買勢力&下落させたい新規売り勢力』と
『下落を止めたい新規買い勢力&安いところで拾いたい新規買い勢力』による
ポジションのぶつかり合いによって、新規買い勢力が勝ちやすい状況です。
ポイント2 ダウ理論によるトレンド判断
安値と高値に引いた緑ラインは、安値切り上げ、高値切り上げを示し、上昇トレンド中です。
そのため、トレンド転換していない状況化では上昇してくる確率が下落する確率より高いことが
ダウ理論により分かります。
よって、この2つのポイントによる判断で三尊天井が確定しても
下落が進まずに上昇していったと言えます。
もし下落を狙うならば紫ラインの安値を抜けてからショート戦略を考える方がベストです。
形だけで判断せず、上位足のトレンドを意識する!(下降トレンド)
チャートは逆三尊天井の例です。
先ほどの4つの条件を満たして逆三尊天井が確定。
本来なら上昇が続くはずですが、上昇せずに上昇していきました。
こちらも先ほどと同じでトレンドが関係しています。
答えは下降トレンド中だからです。
そのため本来のチャートパターンで「上昇するぞ!」と思ってロングエントリーしても
下降トレンドを狙うトレーダーの戻り売りの餌食になりやすくなります。
しかもこの例では中期も下降トレンドを強く示しています。
ポイント1 長期EMAによるトレンド判断
長期のEMA(赤)200期間が下向きで下降トレンド中
中期のEMA(オレンジ)75期間も下向きが強く出ているため下落の力が強い下降トレンドです。
『利食いによる反対売買勢力&上昇させたい新規買い勢力』と
『上昇を止めたい新規売り勢力&高いところで拾いたい新規売り勢力』による
ポジションのぶつかり合いによって、新規売り勢力が勝ちやすい状況となっています。
ポイント2 ダウ理論によるトレンド判断
安値と高値に引いた緑ラインは、安値切り下げ、高値切り下げの下降トレンド中です。
逆三尊天井の②山を超えてきたのですが、中・長期の下降トレンドに押し負けています。
トレンド転換していますが、中期EMAを超えることができないほど
売り勢力が強いために上昇が進まずに下落していった形です。
下位足のヘッドアンドショルダー(三尊天井・逆三尊天井)のひっかけに注意!
黒ラインが45分足のトレンド、オレンジラインが15分足のトレンドです。
オレンジラインの各転換ポイント、黒ラインの各転換ポイントは
三尊天井、逆三尊天井になっています。(そう見えないところもあります)
上チャートでは45分足で表示していますが、
15分足で表示した場合は5分足のトレンドがオレンジラインの役割として考えてください。
4時間足で表示した場合は1時間足のトレンドがオレンジラインの役割です。
通常、大きな時間足(上位足)のトレンドの影響を受けるため
黒ラインの動きを参考にしたトレンド、ここでは上昇トレンド(左側から続いている)のため
オレンジラインの動きも上昇トレンドになるタイミングでトレードする方が
利益になりやすく、利益になるまでの時間も短く、効率の良いトレードができます。
ヘッドアンドショルダー(三尊天井・逆三尊天井)形成後の動き(値幅到達点の3つの導き方)
最後に三尊天井、逆三尊天井形成後の動きについてです。
通常三尊天井を作った頭と②谷の値幅分が下落した利益ターゲット(値幅到達点)、
逆三尊天井を作った頭と②谷の値幅分が上昇した利益ターゲットになります。
※上記は色々な説があるため1つに絞らず、余裕を持たせたゾーンとして考えましょう
1.横目線(価格をベースにした導き方)
価格は上下にしか動かないので、三尊天井の時は
頭(ヘッド)から②谷を作った値幅分をベースに計測します。
上の例ではターゲットに届いていませんが、
さらに上の上位足のトレンドが関係しているためです。
価格は上下にしか動かないので、逆三尊天井の時は
頭(ヘッド)から②谷を作った値幅分をベースに計測します。
2.斜め目線(価格と時間をベースにした導き方)
左肩と右肩を結んだライン(緑)の角度で
頭から②谷の値幅をチャネルラインで引きます。
その等倍分が値幅ターゲットになります。
逆三尊天井も同じように引きます。
左肩と右肩を結んだ角度でチャネルラインを引くと上チャートのようになります。
3.最初の上昇(下落)の値幅=ターゲットまでの下落(上昇)の値幅
左肩を作った値幅を右肩から計測した値幅が利益ターゲット(値幅到達点)になります。
こちらも同じく左肩を作った値幅を右肩から計測した値幅が利益ターゲットになります。
まとめ
ヘッドアンドショルダー(三尊天井)の条件は以下の4つです。
・左肩(ショルダー/LS)より頭(ヘッド/H)が高い
・右肩(ショルダー/RS)は頭(ヘッド/H)が低い
・①谷より②谷の方が低い(ことが望ましい)
・②谷より低くなることでヘッドアンドショルダー(三尊天井)が確定
ヘッドアンドショルダー(逆三尊天井)の条件は以下の4つです。
・左肩(ショルダー/LS)より頭(ヘッド/H)が低い
・右肩(ショルダー/RS)は頭(ヘッド/H)が高い
・①山より②山の方が高い(ことが望ましい)
・②山より高くなることでヘッドアンドショルダー(逆三尊天井)が確定
利益ターゲット(値幅到達点)は以下の3つです。
・三尊天井を作った頭と②谷の値幅分が下落した利益ターゲット(値幅到達点)、
逆三尊天井を作った頭と②谷の値幅分が上昇した利益ターゲット(値幅到達点)
・左肩と右肩を結んだラインの角度で頭から②谷の値幅をチャネルラインで引く。
その等倍分が値幅ターゲットになる。
・左肩を作った値幅を右肩から計測した値幅が利益ターゲット(値幅到達点)になる。
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