フラクタル(仏: fractale, 英: fractal)は、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念である。ラテン語 fractus から。図形の部分と全体が自己相似(再帰)になっているものなどをいう。なお、マンデルブロが導入する以前から以下で述べるような性質を持つ形状などはよく考えられてきたものであり、また、そういった図形の一つである高木曲線は幾何ではなく解析学上の興味によるものである。(Wikipediaより)
冒頭はフラクタルの説明から入りましたが、フラクタル理論は相場の世界でも
起きているという解釈を持つ人が一定数います。
私個人はフラクタル理論が相場でも起きている派ですが、
厳密に言うと、時折あるフラッシュクラッシュのような急激に動く時を除けば
ほぼフラクタルであるという認識です。
急激に動く相場を全て入れてしまうとフラクタル理論は崩れますが
そうでない時の方が一般的なので、相場はフラクタルであるといって良いと思います。
今回はフラクタル理論を使うのに最適なTrading Viewに搭載されている
[バーのパターン]を紹介します。
[バーのパターン]の基本的な使い方
一般的にフラクタルというと、大小の大きさだけを見てしまいますが
同じものが連なっているということもフラクタルの一種です。
そのことに着目したのが[バーのパターン]という機能。
まず左の描画バーの上から7番目のアイコンをクリックし
図のようなタブを表示させます。タブの中の[バーのパターン]をクリックします。
上図のように範囲を指定する縦線が表示されるので、
任意の起点から終点を指定します。
指定してクリックすると、指定範囲のバーのパターンが表示されます。
図では黄色にしましたが、初期設定は青です。
基本的な使い方は以上です。
こんな形でバーの動きを取り出せるので、これを拡大/縮小させて使います。
次の項目では2つの応用を解説します。
応用1 別枠でのテクニカル分析として使う
先ほど出したバーのパターンを右端に移動させ、少し拡大しました。
その次にラインを引き、テクニカル分析をする方法です。
このようにすればラインの数パターンを残しておけるため
ラインの引き方を検証するには打ってつけです。
この作業をすればラインの引き方に一貫性を持たせる練習になるので
しっかりとした実力をつけることができます。
これが[バーのパターン]応用1です。
応用2 将来の値動きを予測する
先述したように相場をフラクタルだとするならば、
過去の値動きと同じような動き方を将来もする可能性が高くなります。
しかし適当な期間のバーのパターンを将来の値動き候補として使うのは
いささか疑問がありますし、不確定要素が多くなります。
そこで、値動きのパターンに着目し、以前から伝えている1つの波が終わったタイミングを1つの値動きのパターンとする方法を用います。
例として、前回の[バーのリプレイ]機能を組み合わせて
一緒に考えてみましょう。
赤枠の流れが上昇トレンドが終わり、ダウントレンドになってから
最初の谷(ボトム)を作ったタイミングであり、この流れで[バーのパターン]をとります。
どこまで戻るか分からないため、2つ以上のパターンを出して
チャート画面のスクリーンショットを撮っておくと良いです。
現状は2つのパターンを考えましたが、相場が動くにつれて
トレンド転換や逆トレンドの発生もあるため、逆トレンドとなった場合は
バーのパターンは通じないものと判断し、[バーのパターン]が出るまで待ち、
改めて取り直します。
では、結果がどうなったかを見ていきましょう。
結果はAパターンですが、レジスタンスラインまで上昇せずに下落しました。
肝心の値動きのパターンを見てみると、最初の戻りの上昇タイミングが一致、
その直後の下落も一致、唯一最後の下落が戻してからの下落となりました。
ですが、ここまで動きが一致すれば一応の目安になります。
もう1つ、今度は事前に考えたように動かなかった場合を見ていきましょう。
N波動を終えて、次にE波動になるかを見極めるタイミングです。
直近のレジスタンスライン2本で反転してくれば、トレンド転換しても
下落は継続するだろうと考えました。
そうではないパターンとして上昇トレンドに変化するパターンも
シナリオの1つとして入れておきます。(N波動後の上昇を考えたため)
しかし結果的にこのタイミングで上昇トレンドになってしまったため、
ベースとなったダウントレンドのパターンが使えなくなりました。
この後は結果的に見れば下落が続くのですが、日足では次のトレンド発生待ちとなり
4時間足以下でトレンドが発生していたら、[バーのパターン]でベースの動きをとり、
当てはめていくということを上位足、下位足を見て考えていきます。
まとめ
Trading Viewの[バーのパターン]は、以下のように使うことができます。
・ラインのパターン候補を複数確保できる。
また、ラインを引く一貫性を実践を通して練習するのに最適
・トレンドが続くときに限るが、最初の波の場のパターンが
将来の価格変動にも影響する可能性が高い性質を利用し(フラクタル)
事前に動き方の候補を予測できる。
・[バーのリプレイ]機能を使ったバックテストをする際に
[バーのパターン]を併用すると、相場感を効果的に養える。
厳密に言えば、相場は正確なフラクタル構造ではないですが、
フラクタル構造になっている時が度々見受けられます。
フラクタルパターンになっている時とはどういう時なのかを
過去チャートから導き出し、検証していくことで[バーのパターン]は
もっと使い勝手の良いものに変わるはずです。
ぜひ自分だけの使い方を見つけ出してみてください。
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