Pelican FXが影響を受けた本の中で１、２を争うくらい研究に没頭したのが
相場の達人ー常勝のカオス思考 ビル・ウィリアムズ著です。
ビル・M・ウィリアムズはアメリカのトレーダーであり、株式、商品、外国為替市場の取引における取引心理学、テクニカル分析、カオス理論に関する書籍の著者です。彼の株式市場データの研究により、彼は金融市場の動向を特定する多くの技術的分析を開発することになりました。（Wikipediaより）
詳しくは本を読んでいただくとして、彼が相場を研究していく中で作り上げたシステムが
Bill Williams手法です。
Fractals（フラクタル）、Alligator（アリゲーター）、Awesome Oscillator（オーサムオシレーター）、
Accelerator Oscillator（ACオシレーター）、Gator Oscillator（ゲーターオシレーター）、
Market Facilitation Index Technical IndicatorまたはBW MFI（マーケットファシリテーションインデックス）
この6つのインディケーターを使って相場を判断し、取引可能かどうかを判断します。
この手法に使われるインディケーターは、最近ではどのFX会社のチャートでも
初期搭載されていることが多いです。
しかし使い方が間違っているブログが多いため、数回に渡ってインディケーター別に
使い方などの解説をしていきます。
今回は比較的手法に取りれやすいAwesome Oscillatorです。
Awesome Oscillatorとは何か
このインディケーターが作られた時に、思わず「Awesome!（素晴らしい！ヤバイ！）」と
叫んでしまったのが由来だとかなんとか。
ビルウィリアムズ が実際に「ヤバイ！」と言ったかは別として、
それほどまでに信頼性の高いシグナルを発していたからでしょう。
それほどまでに使えるものなのかを実際に表示させ、計算式から見ていきましょう。
Awesome Oscillatorを表示させる
JForex3のインディケーター欄には、[Bill Willams]の項目があり、
インディケーターがまとめられています。
今回は、Awesome Oscillatorを選択します。
画面下半分に表示されたのがAwesome Oscillatorです。
これだけではわからないので、次にどんな計算式によって作られているかを調べます。
Awesome Oscillatorの計算式
Awesome Oscillatorだけでなく、全てのインディケーターで言えることですが、
インディケーターの計算式を調べることで、値動きをどのように捉えているかを
知ることができます。何を求めたいがためにこの計算式を作り、インディケーターを作ったのか。
これが理解できているのといないのとでは大きな違いを生みます。
Awesome Oscillatorの計算式は、以下のようにシンプルな計算式で成り立っています。
AO = SMA (MEDIAN PRICE, 5) – SMA (MEDIAN PRICE, 34)
MEDIAN PRICE = (HIGH + LOW) /2
説明するまでもありませんが、高値と安値の半分、つまり1本のバーの半値を基準とし、
5期間と34期間の単純移動平均線（SMA）を減算しているということです。
メインチャートの5期間と34期間の単純移動平均線と比較してみる
5期間の単純移動平均線（青）、34期間の単純移動平均線（赤）を
表示させたのが上図です。（いずれもMEDIAN PRICE）
チャート上の2つの移動平均線の差をAwesome Oscillatorは計算しているので
チャート上の2つの移動平均線の形状を表していることが、
すぐにわかると思います。
この後すぐ使い方を説明しますが、
2本の移動平均線が上昇していくタイミングが買いシグナルで、
下落していくタイミングが売りシグナルということになります。
Awesome Oscillatorの使い方
Awesome Oscillatorの売買シグナルは3つあり、それぞれ複数の条件があります。
（各シグナルの条件を満たしたチャート上のポイントを矢印（赤と黒）で表示）
ビルウィリアムズ 手法は日足以上を推奨していますが、
説明機会を増やすために４時間足のチャートを使用しています。
売買シグナル１ Saucer（ソーサー）
条件１ 最低３本のバーが必要
条件２ 最低3本全てが0ラインより上（下）にあること
条件３ バーが下向きから上向き（上向きから下向き）に反転する
これらの条件が揃ったら、買い（売り）シグナルのバーが確定するのを待ち、
そのサインが出たローソク足の高値+1.2pips程度、または安値−1.2pips程度離したところで
逆指値注文をします。（または高値を更新したタイミング）
売買シグナル２ ゼロ線の交差
条件１ 2本のバーが必要
条件２ 1つ目のバーが０ラインより下、2つ目のバーが０ラインより上で買いシグナル
1つ目のバーが０ラインより上、2つ目のバーが０ラインより下で売りシグナル
条件３ 必ず交互にシグナルが出る。売りと買いのシグナルが同時には出ない
これらの条件が揃ったら、買い（売り）シグナルのバーが確定するのを待ち、
そのサインが出たローソク足の高値+1.2pips程度、または安値−1.2pips程度離したところで
逆指値注文をします。（または高値を更新したタイミング）
売買シグナル３ 2つのピーク
条件１ ０ラインより下にあり、1つ目の先端より2つ目の先端の方が高いとき
買いシグナル候補。
０ラインより上にあり、1つ目の先端より2つ目の先端の方が低いとき
売りシグナル候補。
条件２ これらは０ラインをまたぐことなく、バーの連続性が続いている。
条件３ これらの条件を満たしたまま次の先端が2つ目の先端より高い/低いとき、
かつ０ラインをまたがないとき、2つ目の買いシグナル/売りシグナル候補が出現する。
これらの条件が揃ったら、買い（売り）シグナルのバーが確定するのを待ち、
そのサインが出たローソク足の高値+1.2pips程度、または安値−1.2pips程度離したところで
逆指値注文をします。（または高値を更新したタイミング）
Awesome Oscillatorシグナルのデメリット
Awesome Oscillatorの売買シグナルを全て表示させると上図のようになります。
この図からシグナルの1つ1つを見ていくと、あることに気づくと思います。
それがAwesome Oscillatorを使ったシグナルのデメリットです。
デメリット１ シグナルが出るのが遅すぎる
Awesome Oscillatorに限りませんが、インディケーターはほとんど遅効性のため
インディケーターのシグナルが確定した時には、相場はすでに大きく動いてしまっています。
そのためシグナル通りにトレードしたとしても利益になる機会は少なくなり、
損失が出やすいケースが多くなります。
デメリット２ シグナルのみに頼るのは危険
シグナルが発生している時間軸の流れを把握できる能力を身につけないと
値が伸びるときとそうでないときの区別がつかず、損失になるトレードが増えてしまいます。
そのためにフィルターをかけるのですが、それが次回にやるAlligator（アリゲーター）とFractals（フラクタル）です。
Fractalsを最初に見るのが基本中の基本のため、Fractalsを使うと一気にトレードポイントが減り、
その時間軸の流れに沿ったトレードポイントがはっきりします。
まとめ
Awesome Oscillatorは、（高値−安値）/2の半値分、つまりレンジの中心です。
1本のローソク足の中心を5期間の単純移動平均線と34期間の単純移動平均線の
差を見ている指標です。
しかし平均を使っていることで急変動には弱く、シグナルが出る頃には
あらかた相場は変動しきっている状態になることやシグナルが頻繁に現れるため
フィルターをかけないと利益にならないトレードが多くなってしまいます。
Alligator（アリゲーター）とFractals（フラクタル）を表示させ、
一定条件の元でAwesome Oscillatorのシグナルを厳選すると上図のようになります。
Alligator（アリゲーター）とFractals（フラクタル）の使い方が分かって
実用できてこそAwesome Oscillatorが使いこなせるようになります。
さらにAccelerator Oscillator（ACオシレーター）を入れて
値動きの方向を後押ししやすいかを判断すれば方向性の確証が持てます。
一度に全てを覚えて使いこなす必要はないので、
まず今回はAwesome Oscillatorのシグナル確認の方法だけを
しっかり覚えておくようにしましょう！
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