投資の世界で多く使われ、誰でも一度は目にしたことがあるフィボナッチ。
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233・・・・と隣同士を足した永遠に続く数列を
フィボナッチ数列とよび、前後、また1つ飛ばし、2つ飛ばしを割ることで
導き出される比率をフィボナッチ比率と呼ばれています。
このフィボナッチ比率はチャートで意識されやすいと言われますが、
このことについて、オカルトや偶然と済ませてしまうか、必然だと思うかは人それぞれです。
Pelican FXとしては必然だという立ち位置です。
フィボナッチ比率はオウム貝やひまわりなどに代表される自然界に現れ、
その比率は人が自然と美しいと思わせるものであることから
人は無意識にその美しさを求めてしまうのだろうと思います。
フィボナッチ比率は23.6%、38.2%、61.8%などが代表的です。
その中でも61.8%は特に重要視されており、1:1.618の比率は黄金比と呼ばれています。
日本では白銀比と呼ばれる1:1.1414の比率があり、神の比率と言われています。
五重塔や伊勢神宮などの建築物ではこの比率で建築され、「大和比」とも呼ばれています。
(東京スカイツリーも白銀比が使われている)
日本人と西洋人では美意識の差があることは有名ですが、
多種多様な価値観や世界観をもった現代でもどちらが廃れることもなく存在していることが
宇宙の心理である対極としての意義を持ちあわせているのかもしれません。
冒頭が長くなりましたが、今回はフィボナッチツールの代表的な
フィボナッチリトレイスメントと時間も考慮したフィボナッチファンを解説します。
フィボナッチリトレイスメント
フィボナッチリトレイスメントは上図を見ても分かるように
横軸の価格面をフィボナッチ比率によって分割したものです。
引き方は直近最安値から最高値に引きますが、
この時必ず月足から順に引いていくことを強く勧めます。
なぜなら高値/安値を更新し続けているということは、
相場はまだ最高値/最安値をつけていないことを意味しているためです。
これだけでも十分使えるツールですが、相場は時間によっても価格が影響を受けるため
時間軸を考慮したものも必要になります。それが次に上げるものです。
フィボナッチファン
価格と時間軸の両方を加味したものがフィボナッチファンです。
引き方はフィボナッチリトレイスメントと同じように
直近最安値から最高値に向かって引いていきます。
すると時間も意識した斜めのラインが引けるため
フィボナッチリトレイスメントでは見つけられなかったポイントで
反発している箇所が見受けられます。
フィボナッチリトレイスメントとフィボナッチファンを両方組みわせるのがベスト
価格をフィボナッチ比率で分割したフィボナッチリトレイスメント
時間と価格の両方をフィボナッチ比率で分割したフィボナッチファン
この両方を組み合わせることで、価格が動きやすい方向を探ることができます。
両方を組み合わせたトレード方法
基本的にフィボナッチリトレイスメントやフィボナッチファンの各ラインを終値で抜けてきたら、
次のフィボナッチリトレイスメントやフィボナッチファンの各ラインがターゲットになります。
終値で抜けても、抜けた足の高値または安値を更新しないときは
その方向へ行きづらいことを考慮しておくと良いです。
この考え方でこのチャートの先を考えていきましょう。
①この段階ではフィボナッチファン38.2%ラインを終値では抜けていません。
そのため終値で抜けてくるまでは反発、もしくはヒゲを作るような上下の動きが予想されます。
そのため下位足でこの付近の攻防にいつもより注意深く見る必要が出てきます。
チャートは日足なので日足が確定するまでに大きな下落が出てくることも想定しておきます。
②もし①のラインを終値で抜けてきたら、次はフィボナッチリトレイスメント23.6%が
ターゲットになります。なおこのターゲットは①のフィボナッチファン38.2%ラインを
下位足が抜けてきた場合のターゲットにもなり得るポイントです。
③/④フィボナッチリトレイスメント23.6%ラインを終値で抜けてきたら
上図のチャートではフィボナッチファン50%ラインがターゲットになります。
まとめ
チャートは価格面の上下の動きだけでなく、時間の横の動きも考慮しないと
本当の動きが見えてきません。
そのためにフィボナッチリトレイスメントだけでなく、フィボナッチファンを使い
斜めの動きを的確に捉えないとなりません。
この2つのラインと先日公開した高値/安値の確定条件によるトレンドラインが重なった場合、
その価格は特に意識されやすい価格になります。
実際のEURUSD4時間足のチャートでは黄色枠(上)はトレンドラインとフィボナッチファンが
重なっているところが強く意識され押し戻されています。
(今後の動き次第では意識されなくなる可能性あり)
また、黄色枠(下)ではフィボナッチリトレイスメントのラインとフィボナッチファンのラインが
すぐ近くに接しているため意識されやすいポイントとなっています。
このようにトレンドラインとフィボナッチリトレイスメント/フィボナッチファンのラインが
重なる部分を見つけて、意識されやすい価格になるかのフィルターとして使うことで
不確定要素を排除し、確定要素を増やすことに繋がります。
多くのチャートで練習して、しっかりとした技術として自分のものにしていきましょう!
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