RCIはある時を境に急激に人気を博したのが特徴です。
有名FXブロガーが本を出したり、ネットで発信したりしたのがきっかけで
10年くらいは経ったでしょうか。個人的にはあまり好かないものだったので
使うことはなくなりましたが、今もまだ根強い人気があります。
そんなRCIの見方や使い方を今回は解説していきます。
RCIの計算式
通常のインディケーター類は価格の変動幅や変動率で計算されますが、
RCI(Rank Correlation Index)は少し変わっていて、
一定期間の終値を高い順に並べた順位と
現在の日付から近い順に並べた順位で分析します。
RCI={1-6d/n(n2-1)}×100
d:日付の順位と価格の差を2乗し、合計した数値
n:期間
日付 | 終値 | 日付順位 | 価格順位 | 日付と価格の差の2乗 | d |
3月2日 | 100.00 | 5 | 5 | 0=(5-5)×(5-5) | |
3月3日 | 100.10 | 4 | 4 | 0=(4-4)×(4-4) | |
3月4日 | 100.20 | 3 | 3 | 0=(3-3)×(3-3) | |
3月5日 | 100.30 | 2 | 2 | 0=(2-2)×(2-2) | |
3月6日 | 100.40 | 1 | 1 | 0=(1-1)×(1-1) | =0 |
期間5、d=0をRCIの式に代入するとRCI=100になります。
RCI=1-×100=100
日付 | 終値 | 日付順位 | 価格順位 | 日付と価格の差の2乗 | d |
3月2日 | 100.40 | 5 | 1 | 16=(5-1)×(5-1) | |
3月3日 | 100.30 | 4 | 2 | 4=(4-2)×(4-2) | |
3月4日 | 100.20 | 3 | 3 | 0=(3-3)×(3-3) | |
3月5日 | 100.10 | 2 | 4 | 4=(2-4)×(2-4) | |
3月6日 | 100.00 | 1 | 5 | 16=(1-5)×(1-5) | =40 |
期間5、d=40(16+4+0+4+16)をRCIの式に代入するとRCI=100になります。
RCI=1-6×40/5×(25-1)×100=-100
RCIは-100~100の間で推移し、直近に価格になるにつれて終値が高くなれば上昇トレンド、
終値が安くなれば下降トレンドと判断します。
RCIは-80に近づけば売られ過ぎ、80に近づけば買われ過ぎと呼ばれることが多いですが、
実際にはそうでなく誤りです。正しくは天井圏、底値圏ということです。
RCIの見方
一般的な売買シグナルとして、
・マイナス圏からプラス圏に入ったとき(0ライン交差)
・-80以下から-80以上になったとき
・底値圏の-100に近づいて、上昇してきたとき
<売りシグナル>
・プラス圏からマイナス圏に入ったとき(0ライン交差)
・80以上から-80以下になったとき
・天井圏の100に近づいて、下落してきたとき
となります。
なりますが、これら全てを忘れてください。
これらは何の役に立ちません。
RCIの本当の使い方
終値と日付で順位付けしたものであるので、
何をもって天井、底かが明確になっていません。
あくまでRCIだけを見たときの判別方法です。
大事なのはプライスチャートの高値と安値の頂点であり
それらを見分けるためにRCIを使う方が効率的です。
そしてその見方は「RSIのやり方」がベスト!
RSIの見方でRCIを見ると天井と底がわかりやすい
まずRSIの見方とは何かを知らない方や復習したい方はこちらから。
RSIは買い方と売り方の強さを相対的な力関係として見る指標、その正しい使い方を解説
RSIの4つの見方をRCIに置き換えます。
⑴70%以上は天井圏、30%以下は底値圏
→RCIでは80%以上、-80%以下
⑵70%付近で反転、または30%付近で反発すればトレンド転換
→RCIでは80%付近、-80%付近
⑶最高値を更新してもRSIは最高値にならない、
最安値を更新してもRSIが最小値にならない場合、
相場のトレンド転換が起きやすい
⑷ダイバージェンス
RSIの最も低い数値とその後にできる低い数値を結ぶライン。
RSIの最も高い数値とその後にできる高い数値を結ぶライン。
→RCIの最も低い数値とその後にできる低い数値を結ぶライン。
RCIの最も高い数値とその後にできる高い数値を結ぶライン。
その上で先ほどのチャートを見るとこのようになります。
チャート図のRCIは9期間に設定しています。
この設定でもいいですし、14期間でも構いません。
左端の薄いブルー2つ、薄いグリーン1つ、右端の薄いレッドは
⑴、⑵のパターン。
図で文字付き部分は⑶と⑷のパターンです。
なぜそうなるの?という方はまだ認識能力が足りないので
たくさんチャートを見て当てはまるものを見る練習を繰り返してください。
ですが、それでも疑問に思う部分が1つ上の図にあるはずです。
濃い紫(パープル)の部分です。
RCIでは-80%以下からの上昇なのでルールに当てはまっていると思われます。
しかしそれは違います。
よく見て見ると、プライスチャートの濃い紫の部分は
1つの流れのなかに含まれている安値です。
これは新安値でないため底ではありません。
そのためRCIで-80%以下からの上昇でも底とはみなしません。
RCIだけしか見れていないとこんな落とし穴にハマってしまうため
プライスチャートを読み取れる力がインディケーターを使うために必要なのです。
まとめ/RCIを3本使う必要はない
ここまでいかがでしょうか。
最後にやったRSIの見方でRCIを使う方が、RCIを3本使うよりずっと簡単です。
RCI3本使って短期、中期、長期と見るやり方は何の根拠もありません。
80%以上、-80%以下で中期と長期が貼りついているから
そのトレンドが強いという判断は意味がありません。
判断ができていても、肝心のその時間軸での高値と安値はどこなのかを
しっかりと見分けられなければ使えませんし、
そもそもそんなことはチャートを縮めてしまえばすぐに分かることです。
それに返って判断に迷いが生じてしまうため、1本で十分です。
今回書いた内容をしっかりと練習すればRCIを3本使う人より十分利益率が高くなるので
しっかりと天底を見分けられるように練習を積み重ねてください。
補足1 JForex3ではRCIを無限に追加できる
RCIの表示枠の中で[右クリック]→[インディケーターの追加]→[RCI]を選択すると
2本以上追加できます。何本でも追加できるため必要に応じて追加するか、
他のインディケーターも表示させるなど工夫ができます。
補足2 RCIのGMMA風
RCIの遊びでGMMA風に表示して見ましたが、全く意味がありません。
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