【カリキュラム２】環境認識の方法と認識能力の高め方

第２回目は「環境認識の方法と認識能力の高め方」についてです。
前回の「ローソク足の基本と読み方」を理解していないと、
なぜその認識になるか分からないため、必要があれば読み返してください。

今回の環境認識は現在起きている相場の流れを見極めるために重要であり
環境認識が適切にできなければ投資で資産が増えることはないと言い切れるものです。
それほど重要なものなので、今回の内容でコツをしっかり掴んで、練習し実践してください。

環境認識がなぜ必要か

トレンドを適切に判断し、長期の流れ〜短期の流れ（トレードをする時間足）を把握することで
トレードのリスクリワードを最大限に高めるために必要です。

そのために環境認識はトレードを開始するタイミングを知るためだけでなく、
むしろトレードをしないときを見分けることをメインとした認識でいることが大切です。

環境認識を適切にすることで、相場が膠着状態のレンジ相場に入ったか、
トレンド相場に入ったかを見分けることができます。

このどちらか、または両方でトレードをするための手法を作成し、使っていくかを選択し
損失を最小限にしながら、利益を上げていくことになります。

環境認識ができないと、レンジ相場、トレンド相場どちらの手法を使って良いかも分からず
手法自体が曖昧で再現性のないものになってしまいます。

そうならないためにも環境認識を適切にできることはトレーダーにとって最重要課題であり
最初に身につけなければいけない能力になっています。

環境認識に使うツール

ローソク足、移動平均線、ボリンジャーバンドなどいろいろありますが
インディケーター類は環境認識に必要がありません。

その理由として、これらは平均値を使っているために認識が遅れる可能性が高く
期間設定による影響を大きく受けてしまうためです。
しかしこれらにも良い点がありますので、今後カリキュラムとしてアップしていきます。

環境認識で一番簡単で、どなたでも判断でき、再現性の高いものはローソク足です。
ローソク足は相場の動きを記録している純粋な価格を示しているため、
期間設定の影響を全く受けず、時間軸（タイムフレーム）で形状が変化するだけです。

そのためローソク足を使った環境認識の方法を解説していきます。
トレンドラインやチャネルラインなどの罫線分析は環境認識に必要ですが
今後のカリキュラム内で触れるため割愛します。

環境認識の方法（基本の動き）

環境認識と言っても、何を見れば良いのか迷う方も多いでしょう。
環境認識で見るのは以下のものです。

環境認識はこれらをベースに考えていきます。
しかし実際にこれらのように綺麗な動きになることは稀です。

大きな波でトレンドを取っている（認識している）のに、それ以下の波でトレンドを取ってしまう
ことが結構あります。初心者ほどそのようなミスをしてしまいがちなので、
実際のチャートからミスしないようにするためにはどうすれば良いかなどを解説していきます。

実際のチャートで環境認識する

環境認識例１

前述したトレンド認識と転換、トレンド交代がわかりやすいチャートを例にします。

上図では上昇トレンド後、トレンド転換が起こり、下降トレンドにつながっています。
赤が高値、緑が安値のサインとしてわかりやすく記載しています。

そのため、このようなチャートでは環境認識としては正しいです。

しかし、正しいものの大きな流れから考えると、１つの大きな波の１部であることに注意します。
仮にこの動きをAとします。
どういうことかというと、このチャート部分を引きで見ていきます。

大きな波と小さな波でトレンドを判定しない

先ほどの部分は上昇トレンド（青とオレンジの高値安値の動き）Bであったことがわかりました。
しかも高値と安値が切り下がっている状態が続いたのは、この上昇トレンドBが終わり
下降トレンドに移っていく段階だったからと言えます。

しかし、ここで注意することがあります。

この黒矢印のようにトレンドを見てはいけない理由がわかりますでしょうか？

その理由は、青とオレンジの高値安値の切り上がりの波と
赤と緑の高値安値の切り上がりの波の認識が異なるためです。
大きな波と小さな波を一緒に考えているため、環境認識では間違いになります。

これはとても重要なことですが、１つの波を作り出している小さな波のトレンドという解釈です。
エリオット波動という相場の動きを可視化する方法でいう副次波になります。

つまり、主要な波と副次波を混ぜてトレンドを認識してしまう環境認識でいると
主要な波のトレンドの動きを間違えてしまうことに繋がります。

これはかなり多くの方がやっている大きな間違いであり、
アナリストや分析を公開しているSNSやブログでも結構見受けられるため、注意してください。

大きな波は大きな波で環境認識する

青とオレンジの高値安値でトレンドを判断するには、上図のような動きで考えます。

最後の高値（オレンジ）が確定するのは赤枠の赤と緑のトレンドが転換するタイミングです。
この転換の状態をもってオレンジの高値が確定します。

実は左側各２つのオレンジや青の高値や安値を確定させている要因は15分足では見えていませんが
15分足以下で必ずこの現象が起きています。そのため高値安値が確定しています。

このように大きな波は大きな波で必ずトレンド判断することが
正しい環境認識をすることに繋がります。

環境認識例２

以上のことを踏まえて上チャートを考えると、このような判断ができます。

大波（ピンクと黒）、中波（オレンジと青）の動きが理解できれば環境認識は完璧です。
小波は見づらくなるので記載しませんが、どのようになるかを判断してみてください。

環境認識能力の高め方

環境認識能力の高め方は１つです。

ひたすら過去チャートに高値と安値のマークをつけて、その後の動きを観察することです。

方法としては以下になります。

環境認識の基本の動きをしっかり理解し、
トレンド転換したタイミングで高値と安値が決まることを意識することが重要です。

これさえ間違えなければ１つ１つのトレンドの波が嘘のように見える化します。

見える化するまでが根気のいる作業になりますが、それがまず最初のステップです。
見える化した後は実際の動いているチャートで確認できるようになるのが第二ステップ。
これらを使ってトレードできるようになり、利益を上げられるようになるのが第三ステップです。

今回のカリキュラム２が一番重要なので、これが理解でき、実践で使えないと
この先のカリキュラムにも影響するため、時間をかけて習得するようにしましょう。

次のカリキュラム３は「トレンドの始まりを知る」です。