米国10年債利回りと日本国債10年利回りをそれぞれエリオット波動を用いると
USDJPY(ドル円)は今後下落100.587付近となる可能性がある。
それぞれのチャートからその根拠を解説していく。
米国債10年利回り(金利)
米国債10年利回りの日足チャートを見ると2020年8月から3波目を終えた可能性がある。
1月11日安値1.097を抜けたことで上昇を一度終えたと判断でき、1月13日安値1.071を抜けてくると今度は戻りを終えたと判断できる。
その状態になれば3波を構成した「ⅰ〜ⅴ」の修正波「a~c」が起き、これが4波を作る動きとなろう。
1月12日の高値が3波の頂点であれば「1-3を結んだ黄色ライン」を「2」と「ⅱ」に平行移動させたものを抜けてくることが
エリオット波動の4波のセオリーとなる。そのポイントは0.954付近と予測できる。(現時点)
そしてこれが3波構成の動きとなれば次の動きはフラットパターンかペナントパターンとなる。
この戻り具合で5波の頂点が決まるため現時点では5波目を特定することが難しいが、
「1」の高値1.276を超えてくるだろうと思われる。
この動きによって1つの上昇推進波となり、2波からの3波を作るための「真の1波」となろう。
日本国債10年利回り(金利)
日本国債10年利回りは5波動を終え、修正波を作っている可能性がある。
すでに「(B)」まで終えていると思われ、(A)を抜けて「真の1波」を作る動きの最中であろう。
その動きは「ⅰ~ⅴ」を形成している可能性から認識できるが、さらに小さい動きが出来ている。
これを「(ⅰ)~」として区別し、「(ⅱ)」の高値0.050を抜けない限りは上記の流れであると言える。
このことからもし0.050を抜けずに利回りが下落していくこととなり、同時に米国債10年利回りも下落していくならば
金利差は広がらずに米国債10年利回りの動きに連動してUSDJPYは下落してくる可能性が出てくる。
そして日本国債10年利回りが長期的に下落し、「(A)~(C)」の修正波を作る最終ターゲットである-0.201まで下落し
米国債10年利回りが長期的に上昇していくならば金利差は広がり、USDJPYは長期的に見て上昇する可能性がある。
短/中期的、中/長期的という視点では反対の動きとなるが、USDJPYの動きを見ることでこの金利差の拡大がどこで起きるかを予測出来そうだ。
USDJPY
ドル円は現在「1 or A」「2 or B」を作り、「3 or C」を形成していると言える。
「3 or C」を構成する「1~5」の小さな下落推進波を形成中である。
「5」を形成するためのさらに小さな下落推進波「ⅰ~ⅴ」を形成中で、今は「ⅳ」を確定するかどうかである。
104.703を超えない限りは小さな下落推進波「ⅰ~ⅴ」の動きは継続していると考えられる。
また、1月8日安値103.603を抜けたことで上昇の動きが途切れ、その戻りは1月14日の高値が3月24日を起点とした
「1orA」「2orB」で引いたフィボナッチエクステンションの100%(1.00)で止められている。
このことから上昇できずからの下落になる可能性が出ている。
下落が起きてくるならば「2と4を結んだ黄色ライン」を「1」「3」それぞれに平行移動させたラインの
いずれかを超えてくることが「v」「5」であり、そのポイントは100.58付近が考えられる。
しかし「ⅳ」からの下落ではあまりにもかけ離れているため、おそらく延長型のパターンとなるだろう。
ここまでが日本国債10年利回りの項目で記載した下落の動きであり、
米国債10年利回りと日本国債10年利回りの金利差が拡大する形で、100.58付近から上昇していく可能性がありそうだ。
円インデックス
円の動きをより詳しく見るために円インデックスも確認していく。
円インデックスは週足で見る方が分かりやすいため週足で解説する。
2017年から上昇傾向にあり、「V」を形成途中である可能性が出ている。
そのための「ⅳ」からの上昇波動を形成し、今の時点で「1〜5」の波を作る動きとなっている。
その中の小さな推進波の「ⅲ」を終え、「ⅳ」を作ろうとしているが拡大フラット、またはランニングフラットを作る動きの可能性がある。
(この可能性でないことも十分考えられ、その場合は98.2付近が3波の高値となる)
96.1を下に抜けたことで(A)からの1波が終わり、3波目を作る動きとなるかに注目したい。
その目安は98.2付近となっている。なお(A)〜(C)のカウントでないこともあることに注意したい。
これは先ほどの拡大フラット、ランニングフラットではないことが考えられるからである。
どちらにしても円インデックスはまだ上昇余地があり、それはUSDJPYの下落余地があるということになる。
IGクライアントセンチメント
最後にIGクライアントセンチメントを見ていく。
センチメントはネットショートが優勢であるが、今の水準は折り返しやすいポイントであることから
ネットロングが増えてきやすい状況にある。
ポジショニングではネットロングが微増しており、今の水準はネットロングが増加しやすいポイントとなっている。
ネットショートは過去に反転しやすい水準となっていることからこちらも反転しやすい。
これらのことからUSDJPYは下落に傾きやすいと思われる。
まとめ
米国債10年利回り(金利)、日本国債10年利回り(金利)、円インデックス、IGクライアントセンチメントから
USDJPYは下落する可能性が出ている。
米国債10年利回りの金利が上昇するとUSDJPYも上昇しやすい状況には変わりないが、
このチャートでは3波を終えた可能性があるため、今後の動きは下落と上昇を繰り返すレンジの可能性を考えたい。
そうであればUSDJPYも同じように下落と上昇を繰り返し、米国債10年利回りで再度1.184の高値をつけた後に
5波動を作るような動きとなれば(3波動の可能性もある)そのタイミングでUSDJPYは102.00、100.587といった安値をつけるかもしれない。
先を予測することは難しいが現時点で言えることは102.591を抜ける可能性が高いことは言えるだろう。
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