トレードをする上で絶対に欠かせないのは「トレンドを意識すること」です。
トレンドを無視することは地図を持たないで目的地に使うとする無謀な行為です。
FXに限らず、投資をする上でトレンドを意識しないことは損失を意味しています。
しかし、このトレンドというものの定義は一人歩きしている部分があり、
人によっても、時間枠によってもトレンドと認識している高値と安値が違います。
今回は、そういったトレンド認識の曖昧さを解消するために、
一目均衡表を使ったトレンド認識の1つを紹介していきます。
一目均衡表を使う理由
一目均衡表は遅行線を除く、転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2は
(高値ー安値)の半値を基準とした平均を用いています。
(先行スパン1と先行スパン2の間は雲と呼び、将来の動きに26期間移動させる)
1本のローソク足(プライスバー)の半値の一定期間の平均を求めたものであるため
値動きの中心がわかりやすく、ある期間(転換線なら9期間など)の平均は
その期間の中心であるとも言えます。
考案者の一目山人(ペンネーム)が手書きで検証し、導き出した期間と平均線と雲は
時間論も含まれているので、1つの時間枠を見るだけで3つの時間枠のトレンドを
把握することが出来ます。
転換線、基準線、雲が意味するトレンド
一目均衡表はとても優秀で、先述したように1つの時間枠で3つの時間枠のトレンドが
一目瞭然にわかるように出来ています。
上図は1時間足のEURUSDチャートです。
この場合の転換線、基準線、雲が意味している時間枠のトレンドは以下の通りです。
・基準線は1時間足のトレンド
・雲は4時間足のトレンド
これが4時間足になると、転換線は1時間足のトレンド、基準線は4時間足のトレンド、
雲は日足のトレンドを意味することになります。
つまりこういうことになります。
基準線は表示している時間枠のトレンドを意味する。
雲は1つ上の時間枠のトレンドを意味する。(1つ上の時間枠では基準線が該当)
日足以上は例外が出てきてしまいますが、大体はこのようになっています。
実際に比較してみると、
15分足の基準線は1時間足の転換線、雲は1時間足の基準線
4時間足の転換線は1時間足の基準線、基準線は1時間足の雲と近いものになっています
15分足、1時間足、4時間足の組み合わせではこのようになりますが、
4時間足以上ではこのようになりにくいことに注意が必要です。
4時間足以上では8時間足または12時間足と日足の組み合わせが近い形になります。
トレンド判断には雲を使う
トレンドのもとになる高値/安値が雲を終値で抜けたことを確認して判断します。
雲を終値で抜けたタイミングの高値/安値に四角枠で印をしました。
EURUSDの1時間足では高値と安値が両方とも切り上がっていて
上昇トレンド中であることが簡単にわかるようになります。
しかし、雲を抜けても高値や安値を更新しないときが出てきてしまいます。
そのような場合はどうしたら良いかというと、その場合は高値/安値とカウントしないが
正解になります。
実例として上図の青枠がその部分い該当します。
こういった現象は時間枠が小さくなるほど見つかりやすなるため
そのために振り回されてしまうということがよくあります。
15分足以下でチャート分析をする場合は特に気をつける必要があることを覚えておきましょう。
補足:トレンドラインを引く
このようにして高値と安値が確認できたら、高値同士/安値同士を結んだトレンドラインが
引けるようになるので、必ずトレンドラインを引いておきましょう。
トレンドラインが引けるということは、その反対側の高値または安値に同じ角度のトレンドラインを
置いてチャネルラインが引けるということです。
チャネルラインは相場を斜めに見ることができるため、横では判断できない動きを
斜めで見ることで解決できることが多々あります。
実際にEURUSD(ユーロドル)1時間足のチャートで引くと上図のようになります。
(高値同士/安値同士を結んだラインを色別実線、そのラインを並行に移動させたものを色別点線)
このようにラインを引くほかにも、上図のように三尊、逆三尊を引いて考えることも
必要な時があるので引けるときは引く選択肢を持てるようにしておきましょう。
まとめ
・一目均衡表の転換線/基準線/雲は、下位足、上位足の転換線/基準線/雲に該当することがある
・雲を終値で抜けたタイミングが高値と安値のサインとなる
・高値同士、安値同士を結ぶとトレンドラインが引ける
・トレンドラインだけでなく、そのラインを平行移動させてチャネルラインを作る
・三尊、逆三尊(ヘッドアンドショルダー)が引ければ引く
一目均衡表は1つの時間枠で3つの時間枠が分かる優れもののインディケーターです。
また、今回のトレンドラインを結ぶ高値や安値は
エリオット波動では1つの波が終わったサインと捉えることもできるため、
その後の動き方や期間が事前に分かることも一目均衡表を使う理由でもあります。
雲を抜けたらエリオットサイクルの1つの波動が完成する。
このように解釈すると難しいエリオット波動のカウントが簡単になるため
一度は試してみるのも良いでしょう。
「トレンド判断をする=高値と安値の基準を作る」
今回はそれを一目均衡表を使って判断しました。
同じように真似するのも良し、そうでなくても良しです。
もし判断基準が曖昧なら一度は試してみてください。
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