毎月中旬に一般社団法人金融先物取引業協会が発表される「店頭FX月次速報」。
今月からこの速報データを深めて分析していきたいと思います。
※全画像のデータ元は一般社団法人金融先物取引業協会です
日本国内だけのデータなのでクロス円の取引が多い傾向にあります。
この点に注意しながら分析することを心がけていますので、参考にされてください。
店頭FX月間取引高
2021年は3月をピークに減少傾向です。
日本のFX市場で一番取引高が多いドル円と比較してみます。(個別取引高は後述)
ドル円が底を打ったのが今年1月。その後は大きく上昇し、もみ合い傾向です。
月間取引高と比較するとそのタイミングがバッチリ一致します。
ドル円がトレードしやすい環境になると月間の取引高が増加しやすくなるといえます。
主要通貨ペア別取引高
2020年の大幅な取引高は目を見張るものがあります。
コロナの影響で上下に大きな変動があったために過去最大の取引高になったのが3月(1015兆円)。
ついで米大統領選の11月(627兆円)となり、ボラティリティが高い年になりました。
次にポンド円の出来高が多く、ブレグジットがメインとなってその取引機会を狙った
トレードが多かったと思われます。
ドルストレートではユーロドル、ポンドドルの2強。
年々ポンドドルの取引高が拡大しており、今年はワクチン相場の影響もあって
年間の取引高はさらに拡大しそうです。
ユーロドルとポンドドルの取引高をユーロ円とポンド円と比較すると
もう少しユーロ円の取引高が多くても良さそうでしたが、ユーロ円の月足のトレンド転換が
6月以降であったことから、取引が控えられていたかもしれません。
その反面ポンド円はレンジの動きでしたが、持ち前のボラティリティの激しさから
取引が多かったのかもしれません。チャート自体はトレードを控えるような動きでした。
最後にFX会社がキャンペーンを行いやすい高スワップの新興国通貨ペアです。
各国の政策金利を折れ線で示しています。
トルコリラは2018年から年々取引高を減らしています。
今年は昨年の6割くらいの出来高となっていることから昨年よりは増加しそうです。
メキシコペソは昨年20兆円の取引高となりましたが、政策金利が低下しているため
昨年に匹敵するほどの出来高となるかは難しいところです。
これら新興国はアメリカの政策に影響を受けやすく、ドルインデックスが上昇を続けると
これらの国は経済的に影響を受けるため利上げをする必要があります。
この利上げで自国通貨高になった影響が経済にどれほど影響するかが鍵です。
トルコリラ円はもう1段階下がありそうで、ブラジルレアル円は上昇傾向にありそうです。
南アフリカ円は修正波が入る可能性があり、メキシコペソ円はもう少し上があるかもしれません。
月末時点ポジション残高
今年3月からはネットロングの方が優勢になり、買建の方が勝っています。
この差が拡大していくのか縮小していくかに注目です。
おそらくこのままネットロングが優勢になるとドル円やクロス円は上昇しづらい状態となり、
下落していく動きが強まることが考えられます。
6月は今日で終わりますが、今の様子では買建、売建が均衡状態であり、
売建がやや優勢となのではないかと思います。来月中旬にならないとこの結果はわからないため
チャートの様子からどちらが優勢かを考えたいところです。
ポンド円/ポンドドルのデータ比較
最後にこのブログはポンドドルをメインにしているので、ポンド関連のデータで締めます。
ポンド円はドル円とポンドドルのクロス通貨であり、トレードが難しい傾向にあります。
ここまで取引高に差があるのは日本だけかもしれません。
今年はポンドドルは年初から取引高が減少し続けています。
ポンド円は3月をピークに減少しています。
今年3月をピークに取引高は減少していますが、ピークをつけてからも値動きは上昇を続けています。
取引高が減少しているのに価格が上昇している場合は、その後下落してくる可能性が高いため
今月以降は下落してくる可能性が高くなる傾向にあります。その影響からか今月は下落しています。
基本的に取引高が増加するまで下落傾向にあるため、今月の出来高が5月より増加していなければ
価格の下落傾向は継続すると思われます。
ポンドドルも取引高が減少しているのに価格は上昇していることから
下落するタイミングが強まっていることと思われます。そのタイミングは今月であったため
取引高が増加するまでは下落していく傾向が強まることが予想されます。
ポンドドルのタイミングとしてはまだ下落傾向が続くと思われ、7月中旬までは続くかもしれません。
そのため7月のデータが公表される8月中旬に7月取引高が増加していれば上昇傾向に戻ると思われます。
機会があればこのデータを蓄積し、他の通貨ペアでも傾向が高くなるかを検証していきます。
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