BOC声明
「世界経済の成長は鈍化し続けており、インフレは依然として高すぎるものの、主にエネルギー価格の下落により低下している」
「特に、労働市場は引き続き逼迫しており、コアインフレ率の上昇が続いている」
「雇用の伸びは驚くほど力強く、失業率は歴史的な低水準に近く、求人数は増加」
「1月のインフレ率は5.9%に低下」
「今後数四半期の経済成長の鈍化により、労働市場への圧力は緩和すると予想」
「これにより、賃金の伸びが緩和され、競争圧力が高まり、企業が消費者に高いコストを転嫁することがより困難になる」
「全体として、最新のデータはCPIインフレ率が今年半ばに約3%に低下するという予想と一致」
「コアインフレ率は前年比で約5%まで低下する見通し」
「インフレ率を2%の目標に戻すには、短期的なインフレ期待と同様に、両方ともさらに低下させる必要がある」
「量的引き締めは、この制限的なスタンスを補完」
「理事会は経済発展と過去の利上げの影響を引き続き評価し、インフレ率を2%の目標に戻すために必要なら、政策金利をさらに引き上げる用意がある」
「物価安定を回復するという確固たる決意を維持している」
政策金利

2020年3月に利下げをして0.25%へ。2022年3月に利上げするまで約2年間金利を維持。
以降は段階的に上げて4.5%を維持しています。
インフレ率は下記に示す通り5.9%、コアインフレ率は5.5%です。
インフレ目標は2%(インフレ率かコアインフレ率どちらかを指しているかはわかりません)で
現状では2倍以上の乖離があります。そのため利上げをする確率がまだ高いと言われています。
インフレ率・コアインフレ率


エネルギー価格は2022年6月をピークに下落しており、インフレ率もおなじようにピークを付け
下落しています。エネルギー価格がインフレ率を左右しているためエネルギー価格が下がれば
インフレ率も下がると考えられます。
しかし2023年1月のデータが上昇していることがコアインフレ率と同じであり
もし2月のデータも上昇してくると、コアインフレ率も上昇が予想されます。
BOC(バンクオブカナダ)はコアインフレ率を重要視していると考えられ
エネルギー価格の上昇にも目を光らせておくと良いでしょう。
雇用統計・失業率

雇用関係は意外としっかりしています。
失業率はコロナが本格化した2020年の水準以下で推移しています。
BCPI(カナダ銀行 商品価格指数)

エネルギー価格が一番の比重を占めているのが分かります。
次に漁業が突出しているのは燃料を多く使う関係で比重が大きくなっていると考えられます。
林業は輸送のため、金属と鉱物は掘削と輸送のための燃料が占めていると考えられます。
USDCAD

チャート:フィリップ証券 MT5(Meta Trader5)チャート
2023年10月9日週の高値1.39733を目指した上昇と考えられます。
この高値を更新すると1.41560付近を目指す動きが予測されます。
2007年11月1日週からは上昇トレンドになっており、200EMAの上に75EMAがあることから
上昇の勢いがあることがうかがえます。
エリオット波動で考えると2011年7月1日週からは副次波で上昇推進波が予測されます。
図では黒丸ABCとしていますが、黒丸12345の動きも考えることが出来るため
カウントの修正の可能性も考えておきます。
その上で直前の動きを考えると、強い上昇が続くというよりかは
レンジを1.32000-1.41000のレンジとして考えておくシナリオを考えておきたい状況です。
CADJPY

チャート:フィリップ証券 MT5(Meta Trader5)チャート
2022年9月12日週の高値110.523から下落に向かっています。
この下落がしっかりしているため、さらに下を目指す展開が考えられます。
75EMAが横向きになっているため、狭いレンジになる可能性があります。
94.55-101.00のレンジを想定しておきたい状況です。
101.00付近は図のように斜めのラインがレジスタンスラインとなっていることから
このラインを境に動きが切り替わらない限りは下目線で考えたいです。
しかし、日本とカナダの金利差から下落が続くとは考えづらいため
図に記したエリオット波動のカウントは修正することを前提にしたほうが良いでしょう。
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